第96話 大神殿へ
「そうか、ミストを始末したか。これで真実を知る者がまた一人いなくなったな」
ギースさんは少し安心した様子で言う。
ミストはニーナ様を誘拐して犯そうとしてたからな。
僕が未遂に終わらせたけれども。
一応、ギースさんにも報告しにきた。
「まだ残っていますよ」
「そうだ。ミストを飼っていた教皇のライナスに是非ともお礼をせねばな。これはよい機会だ。アランよ」
「何ですか?」
「そなたは教皇を放ってはおくまい。ウォードを同行させてほしい。面倒な後始末は我々が引き受けよう」
「いいですよ、ギースさん」
手数が多くなる分には問題ないか。
教皇の手先はだいぶ数を減らしてやったはずだが、まだ隠し玉がないとも限らない。
「ウォードよ」
「はっ」
公爵様の後ろで気配を殺して佇んでいた執事さん。
「聞いてのとおりだ。アランとともに教皇一派を始末してくるのだ」
「地獄の果てまで追いかけて必ずや。公爵家に牙を剥いた者がどうなるか、思い知らせてやりましょう」
じゃあ決まり。
善は急げ、だ。
「じゃあ、大神殿に殴り込みに行きましょう。今から」
「やはり直接乗り込むつもりだったのだな、アラン」
「ギースさん、今回は地味な方法をとってきたのでもうイヤなんです。とっととけりをつけようと思いまして」
「我が主人。私めはいつでも準備ができております」
「じゃあ、テレポート。王都の大神殿、教皇の間へ」
◇◇◇
「ええい、『ダイアモンド』の奴らはまだ人員を寄越さないのか!!」
「教皇様、確実にアランを仕留めるため準備をしているとのことで……」
「たっぷり前金を払っているのだぞ。まさか持ち逃げする気でもあるまいな!」
「さすがにそれはないかと…… プロなのですし……」
不安に駆られている教皇がヤキモキし、部下と似たようなやりとりを何回か繰り返していたとき。
「えー、マジで!? このあと闇ギルドも潰しに行かなきゃいけなくなったじゃん。聞かなきゃよかったかも」
成人前の少年と執事服の大男の凸凹コンビが教皇の前に現れた。
「ぞ、賊だぁー……」
「うるさい」
部下が剣で貫かれ血溜まりを作りながら倒れる。
「おまえ、何者だ!」
「この状況で来るなんて一人しかいないでしょ。異端者アラン、来ましたよ。それが遺言でいいですか?」
◇◇◇◇◇◇
スキル:【リバース】【神眼】【剣神】【怪盗紳士】【暗黒魔法】【岩鉄魔法】【神聖魔法】【時空間魔法】【灼熱魔法】【凍氷魔法】【マジックハンド】【誘惑】【痛覚緩和】【状態異常完全耐性】【炎精霊の守護】【幻魔】【疾風迅雷】【闇精霊の守護】【怪力乱神】【雷神剣】【強運】【晴嵐魔法】【謙虚】【ヘブンズゲート】
ランク:ゴールド(アリサ:ゴールド)
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ハズレスキルと言われ虐げられてましたが転生に気がついてからは自由気ままに生きていきます! 気まぐれ @kimagureru
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