「それで、まさかとは思うが先に来ていたアランから場所を取ろうとしてはおるまいな、プライド伯爵?」
「そ、それは……」
「ギース様がお察しのとおり、ソフィアといっしょに先にこの場所に着いてピクニックシートを広げていたのですが、後からやってきたローズマリーと名乗る貴族が退けと言い、断ったら暴風魔法で全て吹き飛ばされました」
「あああ……」
何一つ忖度しない僕のセリフでローズマリーがガタガタと震え顔面が蒼白になる。
もう倒れそうだ。
「そ、そんなギース様、こ、これはなにかの間違いで……」
「プライド伯爵、実は貴女に対して領民から訴えが届いていてな」
「それは一体……?」
「領民から徴収した税で夜な夜な舞踏会やサロンに出ていると。しかもそれは顔の良い紳士しかいないという」
「あっ……」
なんでバレたし、みたいな顔をするローズマリー。
心当たりがあるらしいよ。
「そしてその紳士たちにお金を貢いで求婚しているが全てのらりくらりと躱されているらしいではないか。徴収された税で私腹を肥やしそのようなことに使われたくないと王城に直々に訴えがあったのだよ」
「そ、そんな、領民たちめ……優しくしていればつけあがってこんな嘘でたらめを!」
「すでにこちらでも調査させてもらったよ。証拠もある。本来国に納めるべき税を誤魔化していたこともな。その差額をいかがわしいサロンのために使い込んでいたとは言語道断! 本当は後日に領主交代を言い渡すつもりであったが、アランのこともあるから今この場で引導を渡そう」
「お待ちください、国王様! 私はそのような……」
「残念だよ、プライド伯爵。貴女の能力は高いと聞いていたのだが、正しい方向に発揮されなかったようだ。訴えがなければ文官たちですら気づかないほど書類を偽造していたとはね。ローズマリーよ、今をもって爵位を剥奪し平民とする」
「そんな! ……こうなったらお覚悟なさい、ギース! 『ブラッディローズ』!」
目をギラギラさせガンギマリになったローズマリーが胸元から真紅のバラを取り出しギース様に投げつける。
「やれやれ……ただの逆恨みじゃん……【リバース】!」
ギース様の心臓目がけて放たれた真紅のバラは体に当たる直前で向きを反転し、ローズマリーの心臓目がけて飛んでいった。
「そ、そんなバカな……。私こそが、一国の王にふさわしい……の……に……」
心臓を貫いた真紅のバラから猛毒が回りローズマリーはそのまま息絶えた。
「ギース様、わざと動きませんでしたね。暗部も動かさずに」
「私からアランへの信頼と思ってくれたまえ」
「はいはい。っていうかローズマリーかなりヤバい奴でしたね」
「ああ。若いときは引く手あまただったようだが、どこで歪んだのか人生とはわからぬものよ。さあ、アランよピクニックをやり直すがよい」
「って言われてもなあ……。また後日にしますよ。帰ろう、ソフィア」
「ええ、先輩。国王様、これにて失礼いたします」
ソフィアがギース様に綺麗に一礼した。
◇◇◇◇◇◇
本編の最後がもやっとする方のために、即興で別ルート。