第95話 それぞれの動き

「ミストが死んだ、だと!! バカな! あいつは最高戦力だぞ!」



「ライナス教皇様、彼の拠点から影が消えました。間違いなく死んでいます」



「やつは異端者アランを聖滅させに行ったはず。となるとここに来るのは時間の問題か……」

 


 アランを異端認定した教皇は焦った。

 彼の想定では単体最高戦力であったミストが敗れるはずはなかったのだ。

 ミストを返り討ちにしたということは、異端認定した自分のところに仕返しにくるはずだ。



 さらに戦力が減った現在、聖女派から力で刃向かわれると厳しくなるかもしれない。

 万が一共闘でもされると……



 聖女はアランの異端認定に反対する宣言をしていたな。

 万が一じゃなくて大いに可能性がある。



 背に腹は変えられない。

 私財をかなり放出することになるがやむを得まい。



「闇ギルド『ダイアモンド』に連絡をとれ」



◇◇◇



「教皇から連絡がございました」



「ほう、珍しいこともあるものだ」



 最大手の闇ギルド『ダイアモンド』のマスターは部下からの報告にわずかだが驚いた。



 教皇も裏の世界に生きる者。

 だが我々とは領分が異なる。

 お互いに不干渉、という暗黙の了解があるのだ。



「で、用件はなんだ? 間違って我々の手の者とカチあったりしたのか?」



「いえ、通常の依頼です。ターゲットはゴールドランク冒険者アラン。ヴァーミリオン侯爵家の庶子で追放済み。だが類稀なる治癒能力の持ち主で、教会に従わないため異端認定。教会の刺客を退けられたため、プロである我々に抹殺を依頼する、と。金に糸目はつけないとのことです」



「ふん、プロである我々に、か……。教会の強さはその狂信ゆえの強さであるからな。我々とは強さの方向が違う。それにしてもアラン、か。そういえば娘のリーンがやらかした相手がアランとかいう冒険者だったらしいな。アランなどという名前はありふれた名前だが……!」



 そのとき闇ギルドのマスターに電撃が走る……!



「どうされました、マスター。まさか【超直感】が発動したのですか?」



「そのようだ」



 【超直感】はランダム発動である。

 だが今まで間違ったことはない。

 娘の【誘惑】スキルを使えなくしたのはコイツだ。



「ふっ、ちょうどよい。アランはホワイトキングタイガーウルフ程度を仕留めてイキっていたそうではないか。軽く殺して教会からふんだくってやるか。いや、リーンのことを思えばただただ殺すのはダメだな。そうだ、ダークマスターに記憶を剥奪させて廃人にしてからでもいいかも知れぬ」



◇◇◇◇◇◇


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 限定近況ノートを更新しています。本編には影響ありません(サポーターが見落としのないようにここに書いています)。



スキル:【リバース】【神眼】【剣神】【怪盗紳士】【暗黒魔法】【岩鉄魔法】【神聖魔法】【時空間魔法】【灼熱魔法】【凍氷魔法】【マジックハンド】【誘惑】【痛覚緩和】【状態異常完全耐性】【炎精霊の守護】【幻魔】【疾風迅雷】【闇精霊の守護】【怪力乱神】【雷神剣】【強運】【晴嵐魔法】【謙虚】【ヘブンズゲート】

ランク:ゴールド(アリサ:ゴールド)


いつもお読みいただきありがとうございます😊

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