異世界からの出会いを焼べて、篝火は尚つよく、強く輝く

 “別の世界で命を落とした者がその記憶を保持したままこの世界で生を授かった者。”

 彼らは「転生者」と呼ばれ、各々が持つ極めて高いステータスと規格外のスキルにより、英雄として活躍し名を残した者も数多くいる。

 この物語はそんな超人的で桁外れな力を持つ転生者が、次から次へとバトンを託し、時に哀しく、時に呆気なく退場していく話である。

 驚くべきはその豪快さ!平凡なライトノベルなら主役を張れるであろう無二の特別なヒーローを、無慈悲にそれでいて華麗に舞台から消していくという冒険のその迫力である。

 そして託される一人、その男、主人公リューロの苦難、成長、葛藤、生き様が今までに例を見ない感動を読者に魅せつけてくれることだろう。

 層ごとにガラリと移り行く、深い深いダンジョンの怪しく不気味で奇妙な世界を、巧みな筆致で描き切る。

 読み進めるごとに、まったく素晴らしいファンタジーエンターテインメントをより深くより濃厚に楽しめる。

 一読の価値は大いに、大いにあります!