第12話 嵐の前の静けさ
ギアと一緒にユグドラの結界内に来て数日が過ぎた。ギアは興味津々であちこち飛び回ったり、いろいろ食べている。たまに酸っぱいものや苦いものを口にしては、変な顔をしている。そしてどいうわけか、俺にも食べさせようとする。なぜこんないたずらっ子に育っているのだろうか?やんちゃな息子が出来たようで、なんだか微笑ましく感じる。教えることは、多いようだ。魔獣どもも大人しくしているおかげで、平和な日常が続いてた。火卯我からの連絡は、まだなのか?少し不安はあるが、逃げるのが得意な奴だからそう簡単にやられはしない。
平和過ぎて体が鈍りそうだ・・・「それ、硬いぞ」ギアが硬い実にかぶり付いた。「ぴー」悲しそうな声を出したギアは、その実を俺に渡す。しょうがないな、開けてやるか。開けようとしたら、結界外から気配を感じる。開けた実をギアに渡し「食べながらここで少し待っていろ」と言って様子を見に行く。
結界を出るとそこには、魔物が30体以上待ち構えていた。はぁー、とうとう動き出したか。魔物がこちらに気付き、一斉に襲い掛かってきた。好都合だ。バラバラに来られると面倒くさいと思っていたとこだ。「
ワールドギア 鈴牙 @wdrk80
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