誰にでも好きと言っておけば、一人は俺と付き合ってくれるんじゃねえーの?

神石水亞宮類

第1話 誰にでも好きと言っておけば、一人は俺と付き合ってくれるんじゃねえーの?




俺は女の子と会うと必ずこう言うようにしている。

“可愛いね、俺、君が好き! 俺と付き合わない?”

一人、二人なら、俺と付き合ってくれる女の子なんていないと思うが、

会う子、全員に言えば? 一人は俺と付き合ってもいいという女の子

がいるもんなんだ!



『“可愛いね、俺、君が好き! 俺と付き合わない?”』

『もぉ~誰にでもそう言ってるんでしょ~!』

『言ってない、言ってない! 君だけだよ。』

『じゃあ、付き合ってみる?』

『マジで! 付き合いたい!』

『別にいいよ。』

『ヤッタ――――!!!』



“軽い女!” こんなに簡単に男と付き合うもんかねぇ~

俺はその子と付き合うが、よくて1ヶ月ぐらいで別れてしまう。

軽い女は、直ぐに他の男が気になるのか?

ノリが軽いから、他の男に“好きだ、付き合ってほしい”と言われると

簡単にいいよと言うらしいのだ!

だから俺にまた簡単にこう言うんだよ。

“別に好きな男の子がデキちゃった! ごめんね、別れてくれる!”

俺はその時は、こう言うよ。

“別にいいよ”ってね!

簡単に付き合った女は、簡単に別れてしまう。

本気で好きになった女性ほど、大事にするし長続きするんだけどね。




でもさ? 俺は軽い女の方が楽でいい!

別れる時も、いがみ合わずすんなり別れられるからわだかまりも一切ない!

勿論! 付き合っている間は、やる事はやれるしね。

満足して別れるなら、俺はそれでいいよ。



この日も、俺は相変わらず! 女の子にこう言っていた。



『可愛いね、俺、君が好き! 俺と付き合わない?』

『えぇ!? ワタシと付き合いたいの? いいわよ。』

『・・・あぁ、』




そもそも、誰でも女性なら俺はこう言うから? タイプもひったくれも

ない女もいっぱいいるんだよ!

“普通、付き合わないだろうなって女も俺は付き合うようにしている!”

ただ、今回付き合った女は? 面倒くさい事になってしまった。

今まで、“男と付き合った事がないと言った女!”

見た目の問題なのか? 性格の問題なのか?

俺となかなか別れてくれない!

“簡単に付き合っても、簡単に別れられない女と俺は付き合ってしまう。”



『“俺と別れてくれないか?”』

『なんで、せっかく! 付き合ったのに、ヒドイ~』

『俺さ、他に好きな女がデキたんだよね!』

『それでも、別れてあげない!』

『なんでだよ!』

『“だって! 私の初めての彼氏だし!”』

『俺と別れた後、“もっといい男が現れても?”』

『どうせ、付き合えないよ。』

『自分に自信がないのか?』

『・・・・・・』

『自信も持てって! 絶対付き合えるから!』

『・・・そ、そうかな、』

『絶対、そうだって!』

『“じゃあ、別れてあげる!”』

『サンキュー!』



俺はこうやって、また自由になった!

相変わらず、俺は会う女の子全員に好きだ、付き合ってほしいと

言ってまた新しい彼女がデキる。


でも? まさか!?

“またあの女が俺の前に現れるなんて、思ってもみなかったんだ!”



『“やっぱり、ヨリ戻して!”』

『ダメだ! もう新しい彼女が居るし。』

『私からその子にちゃんと説明するわ!』

『説明なんか要らないよ! 俺はもうお前が好きじゃない!』

『えぇ!? ヒドイ!?』

『今の彼女が俺は好きなんだよ! もう、帰れ!』

『・・・ヒ、ヒドイよ、』



俺はあの女が、俺の言った事をちゃんと理解してくれたと思ってたのに。

まさか!? “こんな形でやり返されるとはな、、、?”

SNSで俺が誰にでも会う女なら、皆に好きだ、付き合ってほしいと言う

と書いて拡散までしたらしい。

俺はそのせいで、彼女どころか?

女の子に声をかけようとしたら? 即! 断られる羽目に、、、。

“SNS見たわよ! 軽い男!”

マジかよ! そのせいで、新しい彼女にもフラれる!

嘘だと思いたいけど? “天罰を喰らったのか?”

俺の周りに当分の間、女の子は誰も近づいて来なかったんだよね。

あの女しか、、、。

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誰にでも好きと言っておけば、一人は俺と付き合ってくれるんじゃねえーの? 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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