抹茶フラペチーノの思い出

Dirk

めもりー

大阪での旅の最後、ふとスタバに寄って抹茶フラペチーノを初めてクリームなしで頼んだ。

飲んでいるうちになにか物足りなさを感じていることに気がついた。

自分が覚えているそれが間違っているのではないか、一人で飲む初めての抹茶フラペチーノだったからの方が易しかったかもしれない。


違いはクリームがあるかないかだけ。

飲めば飲むほど哀れなこの心と同じように物足りなさを演出しながら萎んでゆく。

例えるならば、愛の消えたあの日のような寂しさと胸の苦しみ。どこか物足りないこの気持ちだろう。


それでも、ほのかに香る抹茶の匂いと記憶に焼き付いた甘いクリームの味は消えない。


ただ、抹茶の深い苦みを感じさせないこの飲み物は私を救ってくれている気がする。


私は前を向けるのかわからない、それでも変わらず抹茶クリームフラペチーノは美味しい。

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