（いみエモ話）「無料で差し上げます」のとんち話が、どう考えてもおかしいと思う件

第1話 「ここにある物を、無料で差し上げます」そんなこと言って、良いんですか？この話のおかしいところに気付けたあなたは、きっと、大人です。

　　（いみエモ話）

　意味がわかると、エモイ話。

　あなたは、この話の意味がわかりますか？

　　 ☆

　近所の悩み相談ではじまる、「無料でさしあげます」なとんち話を、知っていますか？

　今考えると、おかしい。

　それは、こんな感じの話だった。

　「うちの近所に、大量に、自転車が置かれているぞ！駅近だからな。駐輪場だと、思われているのか？」

　ああ、近所迷惑。

　そこで、頭にきたやつが、頭の良さそうなやつに相談。

　「どうしたら、良いと思う？」

　すると、こんな答え。

　「…そうか。それなら、自転車が勝手に置かれている場所に、ここに置いてある物は無料でさしあげますと書いた看板を立てておけば良い。その場所には、もう、勝手に置かなくなるだろう」

　この知恵が、おかしすぎる。

　どう考えても、おかしいんだ！

　「なるほど。相談してみて良かったよ。何かが勝手に捨てられている場所が、無料でさしあげますのスペースになるわけか。これなら、自転車とかを置きたくなくなるな。だれかに持っていかれたくは、ないものな。頭、良いな！」

　…そうか？

　本当に？

　本当に、頭が良いのか？

　理想は必ずしも実現しないと知っている大人なら、良い知恵だと思わないだろうなあ。

　そのアイデアでやってみれば、わかるさ！

　さあ、やってみろ！

　こう書いた看板を、立ててみるんだ！

　「ここに置かれている物を、無料でさしあげます」

　すると…？

　たしかに、自転車が勝手に乗り捨てられたりすることは少なくなってきた。

　…が！

　その場所には、こわれた家電など、「予想していなかった物」が置かれはじめた。

　「おい！」

　「なぜだ？」

　犬のうんちまで、置かれているぞ！

　　（この話の意味）

　だから、いったじゃないか！

　このとんち話は、おかしいんだ。

　アドバイスをしたやつの頭のどこが、良いいんだ？

　考えても、ごらんよ。

　「ここに置いてあるものを、無料でさしあげます」

　そんな場所があったら、どうだろう？

　こう思われるだけかも、しれないじゃないか。

　「そうか。じゃあ、この場所にゴミを持ってきて捨ててしまおう。だれかが、無料で持っていってくれるんだろう？」

　悪知恵の働く人なら、そう思うって！

　「迷惑な物を捨てさせないことが目的だったはずの場所」が、「迷惑な物を好き勝手に捨てられる場所」に変わる。

　だから、あのとんち話は、信用できないんだ。

　子どものころ、この話を聞いたときは、感心した人も多いだろうになあ。

　現実は、残酷です。

　「こわれた家電を、持っていけ」

　「あの場所に捨てれば、良い」

　「だれかに、無料で回収させてやれ」

　悪知恵が、エスカレート！

　ついには、こんな人まで現れたぞ。

　「…○○○○（←ここには、ペットの名前が入る）ちゃん？この場所で、ウンチをしなさい！だれかが、そのウンチを無料で持っていってくれるそうですよ？」

　これで、わかった？

　「予想していなかった物」が置かれていた謎が、解けたはず。

　アイデアの、しっぺ返し。

　エモいなあ。