宇宙移住時代の食べ物を空想する

宇宙移住するとき食べ物はどうなるのか?


もちろん地球から全てを持って行くことはできないから

宇宙で作ることになる。


コロニーの周りに野菜プラントのようなものが、ぐるぐると

回っているような「絵」をどっかで見た覚えが有る。


あれだ。


現実世界でも、葉物野菜などは『工場』で作れるし、LEDライトで

効率的に光合成させて、季節は関係なく短期に育てられるという。

これは、宇宙でもできそうだ。


では動物性のたんぱく源はどうする? 牛、豚、鶏、魚、ヤギ Etcを

宇宙に連れて行く? でも連れて行くだけじゃダメだ。

育てる環境も創らないといけない。


コロニー内に 牧場? 海? いやいや、いやいや、現実的じゃない。

そういう家畜類は餌や水だけじゃなく、空気も消費する。


では、やはり人造の合成肉、合成牛乳の世界しか無いのか?

卵はプラスティックで、割ったらゼリー状の合成白身と合成黄身?


それに何処のコロニーに行っても同じ材料、同じ味の宇宙食。

郷土料理なんてとんでもない。


そう考えると、夢の無い食生活しか描けない。


そうなったらシェフという職業も無くなって、フードプロセッサーの

ボタンを押すと、ドロッとした宇宙食がカップに注がれる世界? 

それだけは勘弁してよ。


考えただけでも食欲が無くなりそう。


食いしん坊の僕としては、美味しくて、いろんなものを堪能できる

世界を空想したい。ではどうやって?????


食の楽しみとは何か? から考え直そう。


そう栄養を取るだけじゃない。


美しい器に入った色とりどりの果物   ・・・視覚

一瞬嗅いだら、よだれが出て来そうな香り・・・嗅覚

熱々の鉄板の上でジュウジュウいうお肉 ・・・聴覚

ほおばった時のとろける柔らかさや食感 ・・・触覚

もちろん味も大事           ・・・味覚


そういう五感すべてで楽しむのが『食の楽しみ』だ。


牛や豚の姿を見たいわけじゃないから、合成肉でもOK。

ただし、見た目も、香りも、食感も全て本物っぽい合成肉を

短時間で造れるマシン。


そして、沢山のメニューから注文ボタンを押すと、和洋中の

どんな料理も再現できるフードプロセッサー。

そういうものが有ればいいか?


どうかな? 


この路線で「物語の卵」を大きくして行こうかと

ちょっと空想する・・・・


んーやっぱり。

どんなに良いフードプロセッサーでも飽きるかな。

旅の途中で、知らなかった郷土料理に

ばったり出会うようなワクワク感は無いか。


普段は口にできない料理に出会う楽しみも有っていい。


どこもかしこも完璧なフードプロセッサーだったら、

「ここのお店、美味しいね。また来ようね」

とか

「美味しいレストラン予約したぜ」

とかいうセリフも無くなる。


そう、美味しいとか、ここはまずいとか、語り合いながら

仲間や家族と過ごすのも、食の楽しみでは無いのか?


やはり万能すぎるフードプロセッサーはダメなんだ。


どうするか。


そうだ。フードプロセッサーのメーカーが沢山あって

それぞれ、味を競っているという構図はいい。


そうすれば

「ここのお店、美味しいね。また来ようね」

というシチュエーションが復活する。


まぁ、あちこちのお店が、同じメーカーの

フードプロセッサーを使っていれば同じ味になってしまうが・・・


ん? それは現実世界でも同じか。スカイラークとかサイゼリアとか。

せっかく知らない土地に旅行している時に入りたいとはあまり思わない。


良し。フードプロセッサーのメーカーが沢山ある方向で行こう。


というような空想を経て、小説の中にフードプロセッサーの

話を登場させてみた。

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【SG4 宇宙防衛隊 火星部隊 トロヤ・イーストの戦い】

 第41話 パイロット達の燃料補給  から


----<補足>----------------------------------------------------------------------

 火星の第一中隊のパイロット達が、大統領の護衛任務で

 大統領機に乗ってたというシチュエーション。もちろん大統領機内なので

 フードプロセッサーは一般向けとは違い、グレードが高い

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<以下、小説の一部抜粋>


 フェルもシャワーを浴び終わったので、部屋の四人で一緒にキッチン

区画に行くと、シンイーとヴィルとマリーがいて、フードプロセッサー

の前で、沢山ある美味しそうなメニューからどれを選ぶかでワイワイと

やっていた。


 三人が食事をフードプロセッサーから運ぶうちに、アレクセイとフェル

は、さっさとメニューを決めていたが、ケンイチはメニュー表を

しばらく見て迷った結果、ラム肉のデミグラス煮込みというのを選んだ。


 大統領機とは言え、当然、合成肉の料理なんだろうとは思ったが、

ラム肉というのは、これまで食べたことが無かったからだ。


(中略)


 そこにソジュンとクリスが料理を持って入って来る。

ソジュンの姿を見た全員が、ステルス機雷の詳しい説明が聞けるかと

一斉にソジュンに注目が集まった。


 しかし、ソジュンは自分がなぜ注目を浴びてるのか、全く分かってない。

「何? どうした? ステルス機雷の説明? いやちょっと待ってよ、

 すごく悩んで決めたこのボローニャ風カツレツっていう料理が、

 冷めないうちに食べてもいいかなぁぁぁぁぁ」


 ソジュンが料理を見つめながら、悲しそうな顔をして真剣に訴えた

のが面白くて、みなが大笑いした。

ケンイチも笑いながら、ゆっくりとラム肉料理の味を堪能した。


<以下、小説の一部抜粋 ここまで>



どうだろう、みんなでワイワイやりながら食事を楽しむという

ストーリーにはできたと思う。


少なくとも

ドロッとした宇宙食を皆で飲み干した。


というような場面よりは楽し気になったのではないかなぁ

でもまだまだですね。


もっと美味しい「物語の卵」の有り方を空想して行こう・・











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空想から産まれた物語の卵たち 星空 駆 @youandi

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