第14話 2050年、魔法の国

 2017年8月の新宿にやって来たアレックスと凜は、凛の彼氏、悠馬に会いに出かけた。新宿駅で星咲とは別れた。新宿西高校にやって来た凛だったが、担任の朝倉和泉あさくらいずみに衝撃的な事実を告げられた。石原さとみに似た美女で国語の教師だ。和泉は3年7組を受け持っている。会議室で話をした。和泉は声を荒げた。

「ずっとどこに行ってたの!?」

 凜は事の経緯を話した。

「あなたもあの旅行に参加してたの?」

「あなたも? まさか、先生も!?」

「星咲君たちと2050年に向かったんだけど、途中ではぐれた」

 クーラーが効き過ぎていて凜は不快だった。凛の隣のパイプ椅子に座ってるアレックスは心地よく感じていた。

「勘違いしないでほしいんだけど、そういう関係じゃないからね?内田君や、遠藤さんも一緒よ」

「私、何にも言ってませんけど? 何か怪しいな……」

「『あすなろ白書』とかの見過ぎよ」

「それ、何ですか?」

「昔流行ったじゃない? キムタクとか石田ひかりが出てた恋愛モノ」

「知りません」

「本題に戻るわね? 変な森に入ったら首の長い怪物が現れて、私達は必死で逃げた。遠藤さんと私たちは何とかこっちに戻ってきたけど、あとの2人はどうなったか分からない」

「無責任過ぎですよ!」

 凜は立ち上がって、クーラーのリモコンを探した。

「だって、怪物が近くまで来てたのよ!? 三叉路のところで彼らとはぐれた」

 ピッピッ♪ クーラーの温度を下げた。

「何を勝手に、暑くなるじゃない!」

 和泉はゲップを堪えた。

 凜は席に戻った。

「冷え性なんです」

 アレックスはギャアギャアうるせーと思っていた。

「で、どこの森なんです?」

「奥多摩」

 

 アレックスらは黒野観光が主催する時空旅行に参加することを決意した。アレックスらは『2050』と刻印が打たれた時空シールを手に入れ、奥多摩駅近くの電信柱に貼り付け、不思議な霧の中へと足を踏み入れた。すると、突如として時空が歪み、彼らは未知の世界へと飛ばされてしまった。


 目が覚めると、アレックスと凜は見たこともない異世界の街で目を覚まし、周囲には魔法使いやドラゴン、妖精などが溢れている光景が広がっていた。彼らは驚きと興奮に包まれながら、新たな冒険が始まることに胸躍らせた。


 道を尋ねながら進むと、彼らはローズという名前の魔法使いと出会い、彼女からこの世界が『魔法の国』と呼ばれていることを教えてもらった。さらに、この国では『時空の封印』という謎が存在し、それがこの世界の運命を左右していることを知る。


 アレックスと凜は、ローズと共に魔法の国の秘密や時空の封印の謎を解明するために冒険を続けることに決めた。彼らは様々なトラップやモンスターに立ち向かいながら、時空の封印を解く鍵を手に入れるために奮闘するのだった。


 新たな仲間や敵との出会い、魔法の力を巡る戦い、そして時空の謎の解明。アレックスと凜の冒険はますます深まり、彼らを未知なる世界へと導いていくのであった。


 8月15日の昼過ぎ、森の奥で内田ってデブの変わり果てた姿を見つけた。腹から内臓がはみ出ていた。

 凜はゲロりそうになり、アレックスは腰を抜かした。

「はっ、早く悠馬を助け出さなきゃ……」

 内田の死体には蠅がたかっていた。

 我慢できずに凜はゲロを吐いた。

「絶望的だな……」

 アレックスが言うと、「ギャアッ!」と悲鳴が西の方から聞こえてきた。

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時空シール2 鷹山トシキ @1982

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