惣山沙樹カクヨム七周年SS
惣山沙樹
焼肉
今日は作者がカクヨムに登録して七年目ということで、焼肉を食べにきた。兄と蘭さんも一緒だ。
兄がタバコが吸えるところがいいとワガママを言ったので、僕が探して予約した。
「二人とも、カクヨムコンお疲れさまぁ!」
蘭さんがビールジョッキを掲げた。僕と兄も続いた。兄が言った。
「いやぁ、他の短編が公開停止になったり旧版が警告きて取り下げたり大変だったよ」
「ようカクヨムコン版は大丈夫やったねぇ? まあ後は読者選考がどうなるかやね」
僕もやりたい放題やっちゃったけど……あれどう評価されるのかな。まあ、完結できただけでもよかったよね。
僕は率先して肉を焼いていった。兄はこういうことを面倒くさがるタイプだし、蘭さんもそうだろうと思ったのだ。
蘭さんはサラダにスープにビピンパに冷麺を頼んだ。全部一人で食べる気だ。よくも太らないものだと不思議に思う。
「焼肉といえば、色々と思い出すなぁ瞬」
「そうだね……兄さんに襲われた日焼肉食べたもんね……」
思えばあれが全ての始まりだった。断っていたらどうなっていたのかな。兄のことだ、次の機会を伺っていたことだろう。
ロースとカルビが次々と焼き上がり、僕は兄と蘭さんの皿に入れていった。鶏もも肉はもう少し様子を見ないとな。
蘭さんがいい笑顔で肉を頬張り、しっかりと噛み締めた後に言った。
「今年度は作者どういう活動するつもりなんやろ?」
兄が返した。
「まあ、何か書いてないと落ち着かないからってまた兄弟もの始めたけどね」
「あー、嵐士くんと静紀くんやね?」
「そうそう。次のカクヨムコンも何か出せたらいいなぁとは今から考えてるっぽい」
追加の肉を並べた僕は、一旦タバコに火をつけた。僕は言った。
「何とかして僕のハピエン作ってくれないかなぁ?」
「もう、瞬くん欲張りやなぁ。アレがあるやん」
「えっ、アレ? アレってハピエンなの?」
どこに出しても恥ずかしい、どろどろぐちゃぐちゃのエログロSSが存在するので、興味のある方はDMください。
二人の食べっぷりを見て、これだと足りないと感じた僕は、さらに肉を注文した。僕が必死に肉を裏返している間、酒をぐいぐいいった蘭さんは、僕の頬をつついてきた。
「はぁ……瞬くんほんまに可愛いわぁ。一晩遊ばへん?」
「遠慮しとく」
「むぅ。あたし本編やと落とせん男はおらへんのに……瞬くんは無理か……」
「僕は兄さん一筋だから」
「えっ、浮気しまくっとったやん」
「これからはもうしないって決めたの」
散々やらかしておいて言えることではないかもしれないけれど、やっぱり僕の隣には兄しか居ないと思うのだ。兄だってきっと……。
「まあ一晩くらいなら貸すよ」
「兄さん?」
「最近ちょっとしつこいし、たまには一人で寝たい」
「酷いよ兄さん! しつこいって何さ!」
「ほら昨日だってシャワー浴びた後」
「二人とも、それ以上話したらまた警告来るで?」
はい、反省します。
あれだけあった肉も料理も食べ尽くして、食後のアイスクリームを食べた。静かにタバコをぷかぷか。お腹いっぱいだ。蘭さんが言った。
「あれやなぁ、作者の妄想力が尽きん限り、また後輩できるんやろなぁ」
兄は頷いた。
「だな。きちんと可愛がってやろうな」
僕が口を開きかける前に蘭さんがぴしりと言った。
「瞬くんは後輩いびりすぎやで。美月くんに何回泣きつかれたか」
「いや……その……僕だって可愛がってるつもりなんだけど」
「あれのどこがやねん。次やったら伊織さんにお仕置きするで」
「連帯責任やめて」
帰宅して、煙の匂いがこびりついた服を脱ぎ捨て、兄と風呂に入った。
「兄さん……僕のこと、好き?」
「いちいち言わないでもわかってるだろ?」
「言ってほしいの。ねえ、好き?」
「はいはい好きだってば」
「心こもってない」
「本当に最近面倒くさいな」
僕は兄の胸に耳をつけ、鼓動を聞いた。
「兄さん……僕ってバドエンになるために生み出された主人公だけど、それでも兄さんと出会えたからよかったよ」
「ん……俺も」
これからも惣山沙樹をよろしくお願いします。
惣山沙樹カクヨム七周年SS 惣山沙樹 @saki-souyama
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