第9話 真実

「みんなっ、ごめん!」

加害者は、いや、元加害者は、驚いた顔をしてこっちを見てきた。

「コーヒーがまずかったのも、俺がチョークをいれたから。変なメールも、俺が送ったから。全部、俺のせい。すみませんでした・・・」

すると、元女子生徒が、俺の肩に手をおいた。

「西園寺くんが全部悪いわけじゃない。こんなことしたのは、私達がいじめていたせい。あのときも、今も、本当に本当に、ごめんなさい!」

「俺も、ごめんな・・・」

「今までのこと、反省してる。だから、将来の夢を変えて、普通の会社にしたんだ」

「み、みんな・・・」

西園寺くん・・・だから、こんな私達と、みんなみたいに、一緒に仕事したり、ご飯食べたりしてくれる?」

「も、もちろんだよ・・・」

「嫌ならやめてもいいんだよ?」

「いや、こんなこと言われると思わなくて、恥ずかしくてさ・・・」

            *****************

数カ月後。

「わ!このケーキ、美味しい!」

「ほんと?じゃあ、今度食べてみる」

こんな感じに、仲良くしている俺達。

この関係が、ずっと続くといいな・・・

             *******************

ふふふ、あの子、うまくみんなと仲良くなって、家族とも今も仲良しみたい。

私はあの子に天秤を売ったもの。

でも、重いほうが気持ちが重いなんて、私は一言も言っていない。

あれは、あの子自身で切り開いた未来。

幸せが待っているといいな・・・

             ********************

「お兄ちゃん、本当に元気そうでよかった!ずっとそうだといいな!」

あの頃から8年たったかりんは、そう思うのであった。

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