数多ある婚約破棄による復讐劇の中で、今作の特徴は、復讐相手の最期をヒロインが見ずに破滅に追い込む妙と、婚約破棄される原因の悪役、異世界から召喚され、真の聖女と崇められた王太子の新婚約者を、彼女の希望通り異世界へ戻すという優しさを見せた点ではないかと思います。
復讐の過程は理路整然と進め、召喚された王太子の新婚約者を心理操作によって復讐相手を苦しめ、直接手を下さずとも持病の悪化や民衆の嬲り殺し、自己破産による破滅の最期には、ヒロイン同様スッキリしました。
只、最終話のヒロインが自決未遂の展開には、驚きと疑問を抱いてなりません。