第3話
「マジで?」
固まった三人は角うさぎのモモ肉の大きさと角に驚いていた!
「まてまてまて!ハルトお前の言うウサギって角ウサギの事なのか?あの早くて肉食の魔物の!見付かったら最後まで追いかけてくる地獄のウサギ!あと、この大きさは何なんだ?ボスか?俺の知っているウサギの3倍はでかいぞ?」
「そんなことを言われてもこの大陸で初めて戦った魔物がそのウサギなので比較が解らないです。因みにニホンには角が生えたウサギはいないので我武者羅に倒しました!」
「ハルナは凄いな!俺たちでも大変な角ウサギのボスサイズをナイフだけで一人で倒すなんて、」
バルドとヒューは驚いていたのだった。
「まあいいや、肉はあるんだから食料は大丈夫!水は魔法で出すからオッケー!あとは町に向かうだけだな!遅くなると大変だから早く行こうか!」
俺は幌馬車にて商人さんに頭を下げると
「町までよろしくお願いします。」
「うんうん、拐われて来たんだって大変だったね~町までなら幌馬車に乗って行くが良いよ!角ウサギを倒せるんだってね~あの角は魔法の触媒や武器の芯になるから高く売れるよ!さあ、早く馬車に乗りな~この先にある夜営地まで一気に行くからね!」
商人さんは優しく向かい入れてくれたのだった。
幌馬車ではバルドさん達三人と商人さんがこの後の事をどうするか色々と聞いてきた。
「ハルナ君の年齢は?」
「15歳です。」
「まだ未成年か~この国では18歳からが成人なんだよ、お酒も18歳からだね~冒険者ギルドは15歳から加入オッケーだけど、18歳までは色々と制約が付くからまずは採取とかだね~薬草とか毒消し草とかの採取からだね~」
「討伐とかは?」
「未成年だとギルドの試験で合格しないと出来ないよ~まあ、ハルナ君みたいに襲われたから討伐しましたって状況なら後でお小言と教会で命は大事と言う事の説法と3日間の奉仕活動かな?」
「今回の俺はお小言と説法と奉仕活動をやらないとダメですかね?」
「知らないとはいえ地獄のウサギに向かって行った事を説法されるだろうな~」
「俺の場合は戦いに行ったではなく、ウサギに襲われたなんですけどね~」
「まあハルナ君はこの国の事を知らないんだから、色々と調べたり聞いたりして3日間の奉仕活動をすれば良いよ。角を売れば当面の資金にはなるしね。」
バルドはそんな感じで色々と教えてくれたのだった。
約三時間ほど街道を進むと道のとなりに小さな川がある広場に着いた!その中に幌馬車を停めてみんなが馬車から降りるのだった。
「ハルナ!馬車から降りな~今日はここで夜営だ!テントや飯の準備をするから手伝いな~」
「夜営ですか?」
「ああそうだ!俺らはテントと火起こしをするからそこの川から水を汲んできてくれ!」
「わかりました!」
俺は坪を借りて川に水汲みに行った。
「うわぁ~ニホンと違って川の水が綺麗だ、ちょっと喉が乾いているから飲んでみよう!」
手で水を掬い飲んでみると幌馬車で頂いた魔法で出した水と違い染み渡る湧水の様な感じのとても美味しい水であった!
「魔法の水は無味無臭の水って感じだけど、この川の水は湧水の様に冷たくて美味しい水だね、持って帰りたいけど水筒ないしな~とりあえず、水を汲んでから考えよ!」
水を汲んで広場に戻るとバルドとヒューはテントを組んでいてレンは竈の用意をしていた。
「水を汲んできました~」
俺はそうバルド達に告げると
「レンか火を起したら湯を沸かすからアイツに持って行ってくれ!」
「わかりました!」
坪を持ってレンの所に向かい坪を渡すとヒューは魔法で火を点ける処だった。
「ハルナが水汲みに行った間に竈を作っていたんだ。この後に火を点けて湯を沸かすから料理を手伝ってくれるか?」
「何をすれば良いですか?」
「まずは、野菜を切っておくのと、君のウサギを捌くだね。ハルナは料理は出来るかい?」
「簡単な料理なら出来ますけど、料理によってですね」
「夜営の時は体の暖まる野菜と肉のスープが定番なんだよ。」
「スープ位なら出来ますので、手伝いますね」
レンから野菜を渡されたあと、野菜を洗い皮を剥き一口大に切っていった。
「ハルナの料理は手際が良いね、ちゃんと根菜を水から、葉ものを湯から入れているね、料理は誰かに師事されていたのかい?」
「俺の父がキャンプじゃあ無くて夜営の時の料理の仕方を叩き込んだんです、何があっても生きられる様に肉と魚の捌きかた、野草の見分け方や料理の仕方など、平気で数日の間、山とかで寝泊まりさせられました。」
「そっ…それは凄いなお父さんだね」
「そのお陰で、肉は早くに用意出来ましたからね」
「僕たちも角ウサギを御相伴に与りますね」
「町まで連れていって貰うのですから、肉位安いものですよ。それに色々な事を教えて貰って文句を言ったら神様のバチがあたりますよ」
「そう言って貰えるとありがたいよ。角ウサギは中堅冒険者が倒せる位の魔物だから滅多に出回らない程の高級肉なんだよ。」
「そうなんですか?」
両モモで5キロ位はあるこの肉を山賊焼きか、塩焼きにでもしようと思っていた、でも調味料も料理器具も無い状態では焚き火で炙って食べる位しか思いつかなかったので、スープにして食べるのはありがたかった。明日には町に着くらしいので、肉は今日中に食べてしまえば良いかなって思って肉を捌きはじめたら
「ちょっと待った~」
ん?レンさんが騒ぎはじめた。
「あれ?肉の切り方間違えました?」
「そうじゃないよハルナ君!角ウサギの肉をどれだけ食べるの?高級品なんだよ?」
「余っても仕方がないので全部使ってしまおうかと、」
「バルドちょっと来てくれ~」
レンさんはバルドさん達を呼んで俺のやろうとしていることを説明し始めたのだった
異世界探検部 @Sillvy-rein
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