第2話
あれは幌馬車かな?
商人が荷物を他の町に運搬する雨避けの幌が付いた馬車がゆっくりと此方に向かって来た。馬車を運転している人が此方に気付くと馬車の中から護衛っぽい人が三人ほど降りてきて此方を警戒し始めた。
「お前は何処の所属の冒険者だ?返答が無い場合は盗賊として対処するぞ!」
弓を此方に向けていつでも撃つ準備をしている奴と剣士風の奴とつえを此方に向けている三人の男が近づいて来た!
いきなりの盗賊疑惑に俺はビックリしたのだけれど、こんな所に一人でいる奴なんて怪しいよな…俺が同じ立場でも警戒するよ!でも所属なんて無いしどう説明すれば良いかも解らないし、異世界人なんて言ったら頭がおかしい奴だと思われるだろうから、異世界人だと言うことを内緒にしてそれ以外を正直にはなそう…
「待ってください!俺の名前はハルナって言います。この先の平原で倒れていたのだけど、何で平原にいたのかがわからないんです。家で寝ていたんだけど気付いたら平原で倒れていて!とりあえず町に向かって歩いていたら角うさぎに襲われたので何とか倒して食材と角を採取していた所なんです!」
異世界人的な話を言わないで記憶が無い風に話をして盗賊ではないアピールをしたら
「ここはクローバー伯爵領の平原で自分達は王都から商人の護衛依頼でクローバー領に向かっている所だ!」
三人は自分達の立場と理由を話をしてからこちらの詮索を始めた!
「お前はクローバー領の者なのか?」
「クローバー領?いいえ違います!そもそもクローバー領を知りません!」
「じゃあ、お前は何処の所属なんだ?」
「所属?強いて言うならニホンです」
「ニホン領?聞いたことが無いな?お前は冒険者ではないのか?見たところ新人冒険者みたいな格好しているな?」
「いや~この装備も起きたら着ていたんですよ。」
「人攫いに薬を盛られて誘拐でもされたのか?物凄く怪しいけど盗賊には見えないな!身嗜みもキチンとしているし、話し方も丁寧だな、盗賊とは違いしっかりと教育を受けている感じだな?もしかして貴族なのか?」
「俺は貴族では無いです!ニホンと言う国の平民です。」
「ニホンは国なのか?益々聞いたことが無い!海の向こうの国なのか?だとしたら、なんでこんな所にいるんだ?この大陸には我がアーバレスト国しか無いから!違う大陸から来たと言うことか?」
「すいません、なぜと言われても本当にわからないんです。」
「じゃあクローバー領まで一緒に来るか?こんな子供をこんな所に放置して魔物にでも食べられたら目覚めが悪いからな!ちょっと待ってろよ雇い主に聞いてくる!」
そう言うと剣士さんは走って幌馬車に向かって行った。残りの2人はやれやれってな感じで
「ハルナ君って言ったっけ?俺の名前はヒュー弓使いだ!こっちの魔法使いがレン、走って行った剣士がバルドだ!町までだけどよろしくな!」
軽い自己紹介をしてくれたので自分も簡単に自己紹介をしようとしたら、バルトが幌馬車から帰って来た!
「町まで連れていくのはオッケーだって!でも、町まであと2日は掛かるから食事はどうする?ってことなんだけど、まあ帰りがてら何か捕まえれば何とかなるだろ~」
っとバルドは軽い感じで言ってきたのだった。
「あの~まずは町までの案内をしてくれると言う事に有り難う御座います。食料はさっき仕留めたウサギはどうですか?あと、俺の事はハルナって呼んでください。」
「おっ!ハルナはウサギを倒せるんだな、それなら食いっぱぐれは無いな?知らない土地で生きては行けそうだな?町に着いたら冒険者ギルドに連れていってやるから頑張りな!」
バルドはカッカッカッと笑いながら俺の肩をバシバシと叩いた!
「おいバルド!お前の馬鹿力で叩いたらハルトが可愛そうだろ?」
ヒューが止めてくれるのだかバルドは
「肩を叩いた位で弱音を吐いたら冒険者なんてやってられないだろ!ウサギを倒したんだからそれなりに出来るって事なんだろ?ハルト、捕まえたウサギはどれだ?見せてみろ!」
バルドはぶっきらぼうながらも、先輩としてアドバイスをしようとしてくれている。かなり面倒見の良い人なんだろう。俺はアドバイスをもらいたいので捕まえたウサギの肉と角を出した。
「体の肉は重たかったので両足のモモ肉だけ取っていて血抜きをしました。あと角を取っておきました!」
俺は三人に肉と角を出すと
「…」
「…」
「…」
「マジで?」
っと三人は固まっていたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます