逆襲を終えても、少年の物語は終わらない
- ★★★ Excellent!!!
これは、既に終わった復讐の物語である。
これは、逆襲を遂げた亡霊の物語である。
これは、役割を終えてなお、生き続けることを望まれた傭兵の物語である。
貴族に裏切られ、貴族であることを捨て、貴族を殺した一人の少年、ムジカ。
彼はやむを得ない事情により、貴族たちが集まる学園へ入学することになった。
けれども、様々なしがらみ、策謀、あるいは愛によってムジカの学園生活は波乱万丈。
人類の敵対者である〈メタル〉だけではなく、貴族たちから背中から撃たれることも日常茶飯事という有様だ。
しかし、それでも彼が持つ輝きは鈍らない。
裏切られようとも、亡霊になろうとも、傭兵に成り果てようとも。
彼の誇りある魂は、汚れることなく輝きを増していく。
その輝きに恋焦がれる者、愛する者、妬む者、理想を抱く者。
彼を中心に、様々な人間が心を動かし、再び物語の幕は上がるのだ。
否が応でも舞台に上げられた彼は、どのような理由で空を駆り、剣を振るうのか?
その答えは、数多の試練と戦場を乗り越えた先にあるのかもしれない。