あらすじ
大日向東真が生まれる前、母が恋人に捨てられた。四年の間、精神的に不安定な母の元で何とか生きてきた東真。けれどある日、四歳の東真の目の前で、母は首を吊って自殺した。
その後、東真は祖母に育てられた。祖母からのネグレクトと暴言に堪える生活も、中学生のときに祖母が亡くなったことで終わりを告げた。母の妹に引き取られた東真は、その娘南央とともに義母のぎこちない愛を受けながら高校生になった。
しかしその義母も亡くなった。その直前、東真は南央と異母兄弟であることを知らされた。南央の母は、東真の母から恋人であった島川原を奪おうとし、失敗。その数年後に島川原と再会して南央を身籠り、捨てられた。
東真と南央は小さなアパートの一室で二人で暮らすようになった。実父から振り込まれた入学金と、アルバイト代で食い繋ぐ日々。東真は勉強が好きなのに大学へ行くお金もなく、就職して妹を養わなければいけないことに苦しむ。
そんな中でも、高校の後輩、塩川西雅が食事に困っていると知れば助けるような優しさを失うことはなかった。
西雅は母子家庭で、自分のために身を粉にして働く母のためにと家事をしていたが、料理だけはさっぱり。東真に助けられながら、大好きなサッカーと母の手伝いを両立しようとしていた。
ある日、隣の部屋の会社員、新張文哉と出会う。生活力がない文哉を放っておけず、世話をする東真。二人の奇妙な交流が始まった。
東真の過去を知り、家族のように距離を縮める文哉。ただのお隣さんだった三人は、お互いのことを知り、思い合うことで関係を深めていく。
東真の誕生日のお祝いがしたいと南央が言うと、誕生日会を開催する。プレゼント選びのセンスもない文哉は、仲の良い会社の後輩、海善寺司を買い物に誘う。
両親から過度の期待を受けて育った司は、苦境に立ちながら笑顔を絶やさず兄を慕う南央に心が揺れる。
誕生日会当日。西雅に出会うと、西雅の家庭環境について知り胸を痛める。自分と比べて西雅の方が凄いと思った司に、西雅がそれぞれの頑張りを認めることを提案する。その考え方に心を救われた司は、さらに東真と出会い、そのがむしゃらに頑張る姿に刺激を受ける。
こうして東真と南央だけの小さな社会から、友人兼家族のような繋がりが広がる。そして高校生だけでは分からないことばかりな社会との繋がりを得て、東真は新たな未来への選択肢を考え始めた。
そんなある日、偶然東真と南央の父である島川原と出会う。妻との間に子どもができなかった島川原は、養育費を払っていると言い張って東真を自社の跡取りとして連れて行こうとする。
けれど島川原は、優秀な社長ではあっても賢い父親ではなかった。南央のことを無視する自分勝手な態度に苛立った文哉と司は、ふと西雅が島川原にそっくりなことに気が付く。西雅本人は知らされていなかったが、島川原の息子であった西雅にも島川原の身勝手が及ぶ可能性があった。
文哉と司は東真と南央、西雅を守ろうと立ち上がった。家族ではない。年の離れた友人としか言えないかもしれない。それでも、守りたい。西雅の母、四季も含め島川原と対峙する。
これからもみんなでずっと一緒にいたい。その思いを胸に立ち向かった東真は、血縁よりも大きな絆を勝ち取ることができた。
愛情家族 こーの新 @Arata-K
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