頑張るために愛がほしいの

あにょこーにょ

第1話

わかってる。わかってるんだけど、頑張れないの。


うん、そんな時もあるよね。頑張れなくたって、君のことを嫌いになんてならないから、ゆっくり休んでもいいんじゃない?


でも、明日までにやっておかないといけないことはあって。もしやらなかったら明日から先の私が悲しんじゃうし、私を責めちゃうから頑張らないと。


そうか。


うん。だけど、頑張れないの。

頑張るが空回りして、バッテリーだけ減ってるみたい。だから、貴方から愛をいただきに来たのよ。


愛、かい?

君は、愛で修理ができるのかい。

愛しているよ。……これでどう?


貴方、ふざけているの?

私がそんな薄っぺらい愛でできていると思っているの?……貴方に頼らなければよかったわ。


ちょ、ちょっと待ってよ。僕が悪かった。


ハグをしたら、機嫌が治ると思っているの?貴方、私のこと、なぁんにもわかっていないみたい。


僕にできることなんて、君を応援することくらいなんだよ。原則、君には干渉してはいけない存在なんだから。


ええ、分かっているわ。私が貴方にわがままを言っていることも、ちゃぁんと。だけど、一人で走り続けることって、本当に苦しいことなのよ。


ああ、よく分かっているさ。


もう、干渉しちゃいけないルールなんて破って、やっちゃいましょうよ。二人で。やりまくりましょうよ。


急に何を言い出すんだ、君は。

そんなことをしたら、僕はきっとアイツに殴られちゃうじゃないか。僕はやらないぞ。


いいじゃない、別に。貴方がどうなろうと私には関係ないわ。だって、何にも分かってくれないんだもの。ぶちのめされればいいわよ。


まだ、拗ねているのかい?


拗ねてなんかいないわよ、貴方とやりたいだけよ。あれを。私にまだ、悪夢を見させる気?


分かった分かった。分かったから涙を拭くんだ。じゃあ、作戦を練ろう。満足するには、入念な作戦を立て、安心して時間をかけて、あれをやらなくちゃだめだからね。


ええ。そうね。やっと貴方、分かってくれたのね。


じゃあ、君がまずやらなくてはならないことを言うね。


何かしら。


それはね、


いいから早くいって。


それは、明日までの仕事を終わらせることだよ。


END

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

頑張るために愛がほしいの あにょこーにょ @shitakami_suzume

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ