第3話 違う世界。異世界。

 中に入っても特に何も無い。


 ただ暗い空間が広がっている。


「暗くて何も見えない」


 俺は電気のスイッチを探すことにした。


 何も音がしない。


 壁も見つからない。


 建物の端まで歩こうと思い、俺は真っ直ぐに歩き出す。


「どこまで続いているんだ?」


 周りの景色も何も見えず、音も無く、全てが無の空間だった。


 歩いているのに、まるで進んでいないかのように。


 ずっと、ずっと歩いていた。


 不思議に思いながらも歩く。歩く。


 突然、スッと体が軽くなる。


 軽くなったというより……


 空気の抵抗も感じないため何が起こっているのか全く分からない。


 ただ、ただ、落ちてゆく


 *


 目が覚めると、俺建物の中にいた。


 みたいな感じのアニメとか漫画とか、俺はよく見んんだが……転生モノって言うやつ。


 こんな感じなのかな?


 ちなみに、俺の前には制服のようなものを着た男女がいるのだが……ものすごく頭が重い。よく状況も理解出来ていない。


「――寝ないでください!」

「わっ、びっくりした」


 突然声をかけてきたのは、女性の方だった。女性というか、高校生くらいだから女の子?

 髪は金色で長く、白い制服を着ていた。


「ナギ、もう少し優しく言ってやれよ。この人、いままであそこで倒れてたんだぞ?」

 ナギ? この女の子の名前か?

 そして俺は男が指さす方を見る。

 そこには、真っ暗で、なにか変なのが敷かれた空間がある。


 絶対あそこに落ちてきたんだと思った。

 敷かれた変なのが柔らかくて助かったのか?


「あの、ここはどこですか」

 そう聞いてみる……

「どこって……何も知らないんですね」

「ここはDNR地区のアンチストタワーよ」

 DNR地区? アンチストタワー? どういうことだ?

「――日本の東京都じゃないんですか?」

「え?」

「ケイ、多分だけど――――」

 何やら2人で話し出したぞ……?

 男はケイって言うのか。

 黒い髪で、日本人っぽい。なんか落ち着くな。


「君、ちょっとついてきて」

 ナギさんに呼ばれてついて行くことにした。

 ついて行く以外ないし……


 *


「ここが、管理人室。今からここに入って。


 そう言い、ナギさんは扉を開けた――




Chapter.0

「物語の始まりは突然に」終演


Chapter.1

「???」開幕予定

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てーる おぶ いんばーしょん! やmax(不定期投稿) @y2e8-11_1-0

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