第2話

第2話

部長「改めまして紹介しよう佐藤 健人である。

 北村いろいろ教えてやってくれ」

北村「分かりました」

佐藤「北村さんよろしくお願いいたします。」

「佐藤君だね。よろしく。今から営業に行くから横で見ていてその際に疑問に思ったことや気付いた事をメモとってもらって後でまとめて回答するから。」

 「はい分かりました!」

「今から行くところは、長い付き合いのあるところだよ」

 営業車で30分程の所にあった

「こんにちは、先日ご連絡させて頂いたNEXTイベントの北村です。」

「これは、どうもお待ちしておりました。」

 佐藤と名刺交換を行ない席についた。

「今回は、貴社様の方で記念式典をとり行うと言う事でお話をお伺いいたしております。まずは、ご要望等をお聞きしたいと思いまして」

「御社の100周年設立記念式典となりますのでより多くのお取引のお客様にお越し頂きたいと考えております。」

「式典で余興にビンゴ大会をとり行ない、粗品の方も準備したいと考えております。」

「分かりました。では、弊社の方で検討し企画と見積書を作成して改めてお持ち致します。」

「よろしくお願いいたします。」

佐藤「先輩、とても丁寧に先方の話聞いてますね。」

「私は、先方第一で考えてるの」

夕方17時頃事務所に戻って来た。そろそろ定時だ。

「佐藤さん早速で悪いけど残業頼める」

「はい大丈夫です。」

「ではこれから倉庫作業頼むね。」

 このビルの4階から7階がイベント備品の倉庫になっているの

 主に

 4階 カラーコーンやプラ柵、ベルパテ等の  

    誘導備品 椅子 机 テント等       

 5階 スピーカや延長コード、ミキサー、

    ライト類等の照明音響機材

 6階 トランシーバ、スタッフジャンバー

    ヘルメット、ペンライト等スタッフが

    身に付ける物が置いてある

「専属の管理人は、いないのですか?」

「以前はいたんだけど今は、もう新しい人が来ないから片手間にやってるの今夜は、二人で泊まり込みになりそうだけど大丈夫?」

「はい分かりました。」

 北村さん明るく騎乗に振る舞ってるけど絶対に辛いだろうな

渡された現場毎の備品リストを参考にピッキングしていく

 明日は大小合わせて30箇所以上だ営業2課が現場チームだ営業2課も、ほとんど帰れてないらしい結局どこも帰れて無いから自分も頑張らなくては……

 次の日、北村さんは、目に隈を作っていた

結局4時頃までやっていた。

 2時間程しか仮眠を取れ無かった。洗面台で頭を洗って歯を磨く。そしてまた1日の始まりだ

        一ヶ月後

 この1ヶ月ほとんど1日から2日しか休めてない

北村「今日は、土曜日だけど現場が足りて無いから行って貰います。今回初めてだから大きな現場のアルバイトの出退勤の管理を任せますね。」

 今日の現場は、企業セミナーの設営だ今日は、トータル100名のアルバイトが来る。

 業務内容によって時間がバラバラなので時間毎部署毎に点呼を取る今日は、よる23時までかかりそうだ

「こんにちは、仕事には、慣れましたか?」

「こんにちはお久しぶりです。江藤さん

 なかなか大変です。今日も終電で帰れたら良いのですがタクシーになるとお金がかかるので」

「会社は、出してくれないですもんね。不満は、無いのですか?」

「もちろんありますがこれが社会だと思いますのでそれに18時以降は、サービスなのでサービス残業を申請してるみたいですし」

「でも必然的に終電近くまで働かないといけないのに出ないなんておかしく無いですか?」

「私には、言えないですね。生活かかってますし」

「そうですか頑張ってください」

「おい、佐藤!バイト一人来てないそうだな直ぐに業務部に連絡して確認しろなんとしても人員確保しろ分かったな!」

「はい分かりました。」

「もしもしすみません佐藤ですが今日バイト一人来て無いので連絡とって貰えますか?」 

「連絡しましたが繋がら無いですね。直ぐにどなたか来れないか確認します。」

「今日つながらないそうで、今代わり探して貰ってます。」

「とりあえず穴開けれ無いから誰かに行って貰えおまえも電話しろ」

「分かりました。」

「どなたか社員の中で代わり行ってもらえる方」

「私行きますよ!」

「大友さんありがとうございます!」

 1時間後

「すみません結局見つから無かったです。」

「じゃあ大友に引き続きやってもらえ」

「しかし昨日の夜から朝まで働いて貰ってるので流石に不味いと思います。」

「しかたないだろ穴開けれ無いんだからもちろん残業は、付けれないがな」

「大友さんすみません」

「分かりました。しかたないですね。」

 いくら人がいないからと言って流石に給料も付けず夜勤明けに働かすなんてやり過ぎだと思う

次の日現場から出社した。現場は、いつもより多く仮眠が取れたので、いくぶん気分は、良かった

「北村さんおはようございます。」

「佐藤くんおはよう……」バタッ

急に北村さんが倒れた。呼びかけても返事は、ない

ピーポーピーポー

数時間後

「ここは?」

 意識が戻った。

「北村さん意識が戻って良かった」

「佐藤くん心配かけてごめんね」

「お医者さん呼んで来ます。」

 

「大夫容態が安定してきたようですね。過労ですね。最近食事も睡眠もまともに摂って無かったですね。大事を摂って2〜3日は、入院した方が良いですね。」

「しかし仕事がありますので帰ります。」

「今は、自分の体を大事にして下さい。」

「分かりました。会社に連絡入れて見ます。」

「もしもし北村ですがすみません2〜3日お休みを頂け無いでしょうか?」

「大丈夫だ明日から来なくて良いぞゆっくり休め社長との話し合いで今しがた決まった事だ」

 佐藤は、今すぐ戻ってこいと言って置いてくれさもなければ佐藤もクビにするとな。プープープー」

「私クビだって佐藤さん戻った方が身のためだよ」

「そんなのあんまりです。使うだけ使って切り捨てるなんて不当解雇です。」

「しかたないよ仕事は、好きだったけどいい機会だしのんびりするよ。」

「では、僕も辞めます。」

…… 

「その必要は、ないよ」

「どなたですか?大友さんと江藤さんまでも」

「私の名前は、大和田 学 大和田商事の会長だ辛い思いをさせて申し訳無かった。私は、現場から身を引いてほとんど現場の事は、長男に任せてたがここまでとは驚きだ

 あらぬ噂があったから専門の調査会社に私が依頼して、潜入調査してくれたのがこの二人だと言う訳だ」

 ブラック企業調査株式会社所属の江藤と大久保です。改めましてよろしくお願いいたします!

「2〜3日とはいわず二人共1週間程休んでくれ

 今後は、人員の入れ替え聞き取り調査等ありとあらゆる方面から改革を行う。ぜひどんな事があったか落ち着いたら教えて欲しいまた、企業改革に力を貸して欲しい。ただこんな思いをさせてしまったので、退職を止める筋合いもないと思うその際もしっかりと保証させて頂く

 返事は、急がないが1週間後に聞かせてくれるとありがたい」

 

後日談


社長と課長は、会長により降格処分になり新社長や役員の運転手や雑務等1からやり直しになったようだ

 また、しっかり取引先から予算を貰っていたにも関わらず賃金未払いだった為しっかりと未払分は、支払われたそうだ。因みに浮いたお金を社長等が横領しようと企んでいたそうだが経理部長は、会長が社長時代からの中だったようで、経理部長が辞める手筈を考えていたという。

 会長に届いた噂というのは、経理部長からのものだったと言う。

 懲戒免職も視野に入れて検討されたが会長からの要望と解雇という世間に悪いイメージを避けるために降格という処分に落ち着いた。

 本来ならば刑事罰を与えられても良かったがこれ以上争いたくない社員の思いで被害届けは出され無かった。そうだ

 

 結局私を含めほとんどの社員に選択権が与えられたがみんな残った。私も課長という新しいポストを頂いたので皆が働きやすい環境作りに励みたいと思う。

 そうそう佐藤君は、退職したようだ。


「佐藤君次の依頼だ。」

 

「はいブラック企業調査官佐藤行ってまいります。」


                

つづく

 

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