さらっと後日譚
物語完結後のお話は番外編で述べていますが、それ以外の内容について話していきたいと思います。
①エリザ
ヴァロワ領を継ぐ決意をしたエリザは、学園を卒業した後、父の秘書として働きながら領主としての仕事を学んでいきます。
リオとは正式に婚約し、彼とは約束通り20歳(リオが18歳)の時に結婚、それから2年後には女の子、リョーカを出産します。
リョーカはエリザの前世の名前、清花から得てリオがつけます。
『清花』はリオのお気に入りの名前です。
そして、その2年後には男の子を出産。
名前はレオン(ライオン)と言います。
こちらはリオの本名、リオネル(若いライオン)から付随した名前。
エリザは父から領地を継承してからは、仕事に勤しみながらレオンを次期当主にするために奮闘します。
しかし、誰に似たのか気の弱く、自己主張の出来ないレオンに悪戦苦闘。
リオが46歳で亡くなったのち、ルークとは良好な関係を続けます。
そして、レオンが領主を受け継いだタイミングでルークと再婚し、余生を送ります。
案外長生きだったと思うし、穏やかな余生だったのではないでしょうか?
案外ルークとエリザの関係はプラトニックだったと思います。
②リオ(リオネル)
リオはエリザ達と共に学園を卒業した後、ヴァロワ邸の居候として過ごしながら、仕事の手伝いの片手間に研究も続けていきます。
彼はエリザより優秀で、大人から教わったことは誰よりも早く覚え、あっさりとこなしてしまいます。
そんな彼によく思わない人たちもいましたが、次第に彼の実力は認められ、ヴァロワ領主の片腕として、そして王の信頼のおける者として名を上げていきます。
18歳の時にエリザと結婚し、二人の子供を授かります。
捻くれた性格の彼ですが、子供の誕生はかなり喜んだ様子。
この辺は父親似なのかもしれない。
ただ、一人目の子供リョーカがあまりにリオというよりマルグリットそっくりなことに複雑な気持ちになります。
二人目の子はどちらかというとエリザ似で見た目はヘンリーなのですが、ヘンリーのような気の強さはなく、気弱なヘンリーと言った感じでした。
その後、研究を続けましたが、自分の寿命を延ばす方法は見つからず、全てを理解した上で46歳まで生きます。
どうにもならないと知った日から彼も覚悟をしていたのでしょう。
落ち着いた余生を送り、家族とは良好な関係を築けていました。
彼の研究や発明は後世にも受けつがれ、譲歩されています。
③ウィリアム
ウィリアムは王座を兄に譲った後、侯爵家としてファルロイド公のしていた仕事を担っていきます。
アメリアとの間には子供が3人。
終盤で身籠っていた子供も無事に出産しています。
一人目の子は男の子、二人目は女の子、三人目は男の子。
家庭は穏やかで幸せな人生だったのではないでしょうか。
後に二人目の女の子がヴァロワ家に嫁いできます。
つまりレオンのお嫁さんですね。
④アメリア
彼女は公爵の妻となり、子供を3人出産しますが、この世界では珍しいキャリアウーマン。
王宮魔術師としての仕事も担います。
夫を支えながらも、王宮のお手伝いとは感心したものです。
エリザとの関係もその後は良好で、昔のようにいがみ合ったりはしません。
ウィリアムと3人の子供と共に幸せに暮らした事でしょう。
⑤ルーク
ルークは番外編で語られたように、侯爵家へと格下げになり、国境警備の仕事をこなしていきます。
所帯を持つため、幾度かの見合いをこなしてきましたが、侯爵の仕事はあまりに忙しく、殆ど自宅にも帰れないため、フラれることもしばしば。
自分から断ったことはないのですが、あちらが耐えられない様子で泣きじゃくる婚約者たちに耐えかねて、解消するケースが多かったようです。
なので結局未婚のままでしたが、リオの死後、エリザを支え、爵位を妹マリーの息子である甥に譲り、エリザと結婚します。
その頃はかなりの年ですから、高齢結婚でしょうね。
それでもルークにとっては喜ばしい事だったのではないでしょうか。
ここまで来て、やっとハッピーエンドになった気がします。
⑥ギルバート
ギルバートのその後は語られていませんが、無事に騎士として入隊し、その後は王、テオの信頼のおける武官として勤めていきます。
卒業後には積極的にアプローチしてきたセレナに根負けして、彼女と結婚。
その後、8人の子供に恵まれます。
とにかく子だくさんの賑やかな家庭になったようです。
⑦クラウス
クラウスも無事、様々な仕事をこなしながら宰相へと上り詰めます。
彼もテオの信頼のおける家臣の一人です。
彼もなかなか結婚には至らなかったのですが、彼のアシスタントとして働いていたロゼと結婚します。
彼女の献身的な支えがなければ、宰相に成れたかもわかりません。
残念ながら二人の間には子供は出来ませんでしたが、それなりに幸せな人生を送っていたと思います。
⑧サディアス
サディアスも番外編で書いたように、その後は元の仕事に戻り、教官としての役割を果たしていきます。
結局、結婚はしませんでしたが、それなりの生活をしていたのではないでしょうか。
自分の子供に託せない分を自分の教え子たちに思いを注いでいたのかもしれません。
兄との関係も良好になると彼の精神も安定し、穏やかになったそうですが、時折サディスティックな一面を見せ、生徒達を怖がらせています。
⑨ロゼ
卒業するまでにロゼは必死で勉学に励み、父親の推薦も助け、王宮の仕事に就きます。
彼女はバリバリのキャリアウーマン。
彼女の希望でクラウスの下で働きます。
クラウスに自分の本心を伝えることはなかったのですが、長年一緒にいればクラウスも勘付くのか、彼女の期待に応えるように婚姻の申し出を受け、その後二人は結婚します。
エリザとの関係も続き、豆に手紙を送っていたようです。
たまには茶会を開けとか、顔を出せなど、小言のような手紙を送っていました。
自分には子供はいませんでしたが、自分の分までセレナが産んでくれたので、彼女はセレナの子供たちを自分の子供のように可愛がっていました。
エリザの結婚式の時もロゼはセレナの隣で号泣していた様子。
⑩セレナ
ギルバートが学園に戻ってからは、セレナは一大決心をして、彼にアプローチをかけまくります。
それは周りが引くほどの凄まじい積極性。
それに懲りたギルバートは彼女の好意を受け入れ、卒業後に結婚し、すぐに子供を身籠ります。
それからも夫を献身的に支えながらも、素晴らしい母ちゃんぷりを発揮し、次々と子供を出産。
まるで彼女の実家のように賑やかな生活を送っていました。
ロゼとも連絡を取りあっていて、エリザにも手紙を送っていましたが、なかなか返信が帰ってこないことに不満を零していたようです。
⑪ヘンリー
こちらも番外編で書かせてもらっています。
かなり傷心していましたが、何とか領主としての仕事はこなせるようになり、エリザの教育をしながらも、その後の領地の改善に尽力していたようです。
エリザに領主の座を譲った後には、例の避暑地で妻、ジュリアとお手伝いのリタ家族と共に余生を送っていました。
時折、弟とも交流を持っていたようです。
⑫ジュリア
彼女の子供返りは治らず、老いても尚少女のような様子でしたが、亡くなる直前には元の記憶を取り戻したようです。
しかし、ギリギリまで夫には明かさず、純粋だったころのジュリアとして生き続けました。
亡くなる直前に夫に記憶が戻っていることを明かし、彼が支えてくれた十数年間が幸せだったことを彼に告げます。
彼はあの日から不倫相手とは会っておらず、よき夫として改心していたようです。
ヘンリーは彼女の死を悼みながら、受け入れていた様子でした。
ここでやっと自分の罪が償えた心情だったのでしょう。
⑬ニア
ニアはあのままずっとヴァロワ邸に仕え、エリザの世話係として働いていました。
相変わらず明るい性格で、誰とでも仲良くやっていけていたようです。
ルナと共にエリザの子供の世話を手伝いながら、二人を子供のように溺愛していました。
⑭ルナ
ルナはエマの後釜として、献身的にヴァロワ家に尽くしてきました。
特にリョーカとレオンの教育には手を焼いたようです。
リョーカは女の子であるがとても天真爛漫で落ち着きのない子でした。
それと変わってレオンは泣き虫の怖がり。
次期領主として大丈夫なのかと心配するほどでした。
彼女は普段は優しいですが、怒るとエマ以上に怖いようでリョーカもレオンも彼女には決して逆らえなかったようです。
⑮テオ
彼はあのまま無事に王座に就き、よき王として後世まで語られます。
夫婦仲も良く、二人には二人の子供に恵まれます。
一人目は男の子。
リョーカの夫となる男の子で、純真ですがとても小心者です。
二人目は女の子。
彼女も穏やかな性格で、嫁いできたリョーカについて行けず、困惑しているようです。
多くの親戚や家臣、友人に支えながら、最後までその勤めを果たしていったテオ。
彼の余生も幸せなのもだったのではないでしょうか?
いろいろと話は上がっていたようですが、その後は側室も取らずにオシドリ夫婦として仲良く暮らしていました。
⑯リョーカ
リョーカはエリザとリオの一人娘。
見た目はリオそっくりで、中身もかなり気の強い性格。
じゃじゃ馬娘で口も悪く、令嬢として驚かれるほどです。
エリザはリオに似たのだと言い、リオはエリザに似たのだと言い張ります。
それほどまで問題児でした。
マルグリットそっくりな頭のいい彼女でしたが、魔法はからっきしで風魔法もまともに使えません。
彼女が幼い頃には王族の王子と婚約を結び、度々交流があったようです。
気の弱い王子を言いくるめて好き放題する姿は正にリトルマルグリットといっていいでしょう。
しかし、そんな彼女だからこそ結婚後は優柔不断で小心者の夫を支えられたとも言えます。
むしろ次期王はリョーカではないかと思われたほど。
ヴァロワ家念願の夢が叶ったのではないでしょうか。
祖父のヘンリーも孫たちには溺愛しているようで、相当甘かったようです。
エリザも見たこともない父親の姿に驚愕していました。
⑰レオン
レオンはエリザとリオの二人目の子供。
彼は姉とは違い気が小さく、泣き虫の甘えん坊。
何かあるとすぐにルナの後ろに隠れてしまうそんな少年でした。
成長しても相変わらずで、エリザは次期当主として大丈夫だろうかと心配していました。
彼の婚約者、ウィリアムとアメリアの娘はそんな彼を献身的に支えてくれる天使のような子でした。
彼が落ち込んでいると優しい言葉で慰めてくれる。
彼は婚約者に恵まれていたようです。
卒業後して2年後には結婚し、子供も生まれています。
こんな彼ですが何とかヴァロワ家当主として頑張っているようです。
ついでに彼は闇魔法を継承することはなく、サディアスと同じオールラウンダー止まりでした。
それでも姉とは違い、魔法には長けていたようです。
【おまけ】みーぽん、いおりん、こころん
みーぽんはあのまま旅を続け、時々エリザにも会いに来ていました。
彼女は生涯独身を貫きましたが、後悔のない人生だったようです。
いおりんはイケメンたちを携え、大儲けすべく国を渡り歩いていました。
ついにオルガルド王国にまでたどり着きましたが、エリザによって全力で阻止されました。
ここでは大儲け出来なかったようでしたが、それなりに楽しい人生を送っていたようです。
残念ながらこころんとエリザが再会することはありませんでしたが、みーぽんとは度々連絡を取っていたようです。
優しい夫と可愛い子供たちに囲まれながら、幸せな家庭を築くことが出来ました。
以上です。
ざっくりとしていますが、こんな感じでハッピーエンドになればいいなと思っています。
本当に読者の皆様には感謝しております。
他にも多数、作品を書いていますので興味があれば、佳岡花音の別の小説も読んで行ってください。
以下 小説の紹介
コメディー好きさんのおすすめ作品
『男前の結城さんと乙女な成瀬君』⇒王道ラブコメ
※エブリスタで新作おすすめ紹介されました。
https://kakuyomu.jp/works/16817330661123805858
『地縛霊まどろみさんの人生論』⇒若干男性向けラブコメ
https://kakuyomu.jp/works/16817330662750935225
『おじさんは女子高生に恋をする』⇒おっさんのためのラブコメ
https://kakuyomu.jp/works/16817330663966357444
ラブストーリー好きさんおすすめ
エブリスタのみ掲載
『その恋の果て』⇒どんでん返しラブミステリー
https://estar.jp/novels/26147221
エブリスタのみ掲載
『王子妃は毎日退屈です』⇒異世界ファンタジー王道ラブストーリー
https://estar.jp/novels/26181580
ミステリー好きにおすすめ
『カミノ依り代』⇒日本神話を元にした本格現代ファンタジーミステリー
※エブリスタで副大賞を受賞しました
https://kakuyomu.jp/works/16817330660750175121
『女王蜂の嘘』⇒本格学園ミステリー 大人向け?
https://kakuyomu.jp/works/16817330659998516326
王道(昔ながらの真面目な)ファンタジー好きさんにおすすめ
小説を読もうにて連載
『竜の護り人』⇒コメディー要素のない王道ファンタジー
https://ncode.syosetu.com/n3223in/
人間ドラマが好きな方
『リベルテメゾン』⇒佳岡の根源とも言える芸術を取り上げた人間ドラマ
https://kakuyomu.jp/works/16817330659099754580
他にも短編集もございます
https://kakuyomu.jp/works/16817330660750295929
悪役令嬢汚名返上致しません~この不条理な世界に物申す~ 佳岡花音 @yoshioka_kanoko
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます