第24話 これからの事(終話)

「「私と結婚するわよね」」


左側にあみ、右側にカモミールがいて二人ともウエディングドレスを着ている。

真ん中の俺はタキシード姿だ。

教会の中で俺と、カモミールとあみは結婚式をしていた。


牧師に促されるまま、誓いのキスをする。

最初にカモミール、次にあみ。

二人とも幸せそうに笑っていた。



****



「わぁ」


びっくりした・・夢か・・。

何だこの夢・・。


昨日、三人でピザを食べて仲良く~でもなかった。

俺の取り合いみたいになってしまって・・おろおろするばかりだった。


時計を見ると深夜2時。

また寝よう・・・。



****



俺の家のリビングで、あみに昨日見た夢を話した。


「あはは・・なあにその夢」


「笑えないだろ」


「そういうのもアリかもね?わたしとは結婚して、カモちゃんとは事実婚ってやつ?」


「うわぁ・・」


なんだそれ。笑えん。

後ろからナイフで差されたりしないだろうな。


「裕也的にはどうなの?やっぱりわたしとじゃだめ?」


あみは結構真剣みたいだった。

逆にそっちは平気なのか?


「私は別にどっちでもいい。あみちゃん好きだし」


「カモちゃん~わたしも好き」


ぎゅっとあみはカモミールを抱きしめた。

俺はカモミールの方が大好きだと思う。

あみも嫌いではないんだけど。


これって一夫多妻制ってやつだよな。

俺日本人だし、感覚的によく分かんないや。



****



数年後――。

俺と、カモミールとあみは同じ家に暮らしていた。

俺は働き始めて、あみは大学生。

カモミールは家の事をやってくれている。

隣の家のあみのご両親は難しい顔をしていたけど、どうせすぐ止めるだろうと説得を諦めたみたいだ。


「行ってらっしゃい」


カモミールがエプロン姿で玄関から見送る。

めちゃかわいい。


「行ってくる」


「じゃあね~」


俺はカモミールとあみにキスをする。

俺とあみは家を出る。

駅まで一緒なので一緒に歩く。


「毎日楽しいけど、お前はそれでいいの?」


「わたしも楽しいんだからいいのよ。嫌になったら出て行くから」


「それもそうか」


結婚式はあげてもいいけど、結婚はしなくてもいいのではないか。

最近はそう思い始めていた。

結婚をしてしまうと、カモミールとあみの間で格差が生まれてしまうからだ。


最近は同性婚ていうのがあるくらいだから。

そういうものだと思えばいい。

信号が変わって、歩き出した。


「ずっと続くといいよな」


「どうかしらね。人って変わるからね~」


「本当それな」


カモミールが来てから、180度生活が変わってしまった気がする。

彼女も楽しんでいるだろうか?


「心配してるの、顔に出てるわよ。大丈夫、カモちゃんも楽しんでるわよ」


「じゃ、またね」


高崎駅に到着。

ここであみとはお別れだ。

手を振って別れる。


「行ってらっしゃい」


俺は改札を抜け、電車に乗り込んだ。

季節はまた春を迎えようとしていた。





☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


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エルフが異世界から転移してきたら 月城 夕実 @neko6

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