常世の月、枯れ井戸に映り

新月の夜は、井戸を覗き込んではならぬ。
井戸は常世の門。夢と現実とのあわいを
照らし光るのは何に故なのか。

     好奇心とは恐ろしきもの。

あと先を想う事なく覗き込んだその先に
一体、何が映るというのか。


迷信と禁忌から命辛々逃げ延びた先には
至極、普通の日常が。

茫と光る逆さの月。

井戸の底。