第3話

【最強技バンバン撃って深海王をやっつけた!】

 ああ、もう天の声さんが適当になってる…。

「もどろう」

「展開はっや」

「1章読み飛ばした小説みたいだな…」

 旅を始めて16分。

 あれ、このペースだと30分くらいで魔王倒せそうじゃない?




【村長の家ッス】

 もう駄目だ、天の声さんがテンプレを壊し始めた……。

「たおした」

「ま、まさかあの深海王――」

「たおした」

「ありがとうございます!!」

「ゆうしゃさま」

 村長の娘さんが話しかけてきた。

 え、可愛い。

「私も、魔王を倒しに行きたい。」

「な、何を言ってるんだエル!お前は――」

「いいよ」

 良くないよ!?

 危ないでしょこんなちっちゃい子!!

【勇者ああああはエルを仲間にした】

「確かにエルは回復魔法が使えますが――」

「じゅうぶん」

「本当に私ついて行っていいの?まだ子供だけど…」

「あと100ぽだし」

 百歩?

 え、魔王城近くない?




【宿】

「なかまふえた」

「は?」

「村長の娘さん?」

「そ」

「よっ…よろしくお願いしますっ!!」

「じゃあいこっか」

 …行くってどこに?

 まさか――

「魔王城。」

「いやいやいや、魔王城って海渡らないといけないだろ?」

 ボイルの言うとおりだ。魔王城に一直線で行ける道など存在しな――

「それがあるんだな、この宿の隣。」

「と、隣って…?」

 何を言ってるんだこいつは!?

「座標的にここは魔王の間の真横に作られてあるからね。だから【なぞのばしょ】にいく。」

「座標って何ですか?」

「エルちゃん、考えても無駄だよ…」

「ああああ、本当に行けるのか?」

「うん、そのための『たいまつ』さ」

【たいまつを使用】

【たいまつを使用】

【たいまつを使用】

【たいまつを使用】

【たいまつを使用】




【なぞのばしょ】

「きた」

「なになになになに!?」

「私暗いの苦手です…!」

 女子陣が怖がってる。

 というか僕も怖い。

「ここから右に百歩。そしたら魔王の間だ」

「ああああ、お前なんでそんな事知ってるんだ?」

「そらこれたぶん四十二かいくらい周回してるし」

 四十二…!?

 いや微妙…!!

【勇者は右に百歩進んだ】




【魔王の間】

 着いちゃったよ……

「貴様が勇者――」

「うっせえ」

「我が魔王、ヴィ――」

「はよせえ」

「さあ、始めよう!!」

「おっしゃ」

 軽いよ魔王との会話が!!

「こいつが勇者じゃ負ける気しねー……」

「ああああ、魔王を倒すぞ。」

「が、がんばります…?」




【魔王が現れた】

「ダークネス」

【勇者に20のダメージ!】

「いたい」

「大丈夫か!?」

「龘斬り、神殺し、アンチワールド、エルは……フルヒールとか」

「お前タフだな……」

 何か倒せそうだしもういいや。




【色々やったら魔王に900ダメージ!】

「グアアアアアアアア」

「やったか!?」

「それフラグ」




「ふふふ……私にここまでさせたのはお前が――」

「はよ第二形態。」

【魔王は怪物態になった!】

「フハハハハハハハ!お前には我を倒すことはできまい!!」

「よし、バグつかう」

「ば、バグ?」

「あいつ薬草とたいまつ使ってヒールすると即死するんだよ」

「ええ……?」

 何か欠陥多くない?ちゃんとデバッグした?




【ああああは薬草を使った!】

【ネイロはたいまつを使った!】

【エルのヒール! ボイルの体力が三回復した!】




「グアアアアアアアア」

「ほんとに倒せちゃった……」

「はい、冒険終わり」




【王様の城】

「おお、勇者ああああとその一味よ!よくぞ戻って――」

「エンディングくれ」

「褒美にお前には何でも一つ欲しい物をくれてやろう!」

「え?」

 あ、あれ?戻ってる…!?

 声が出る!!

「えっと…じゃ、じゃあ……」




【END】











 記録

 19:02.83

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勇者ああああ~RTA走者の勇者になって最速で魔王を討伐する~ cs放送 @cs16

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