第2話

「こうげき」

【ボイルを倒した!】

 ………。

 あれ、1話読み飛ばした…?

「くっ……強いな、お前。まさか魔王を――」

「たおすよ」

「そうか…俺も前まで魔王を倒そうと――」

「ついてきて」

「しかしお前となら倒せるかも――」

「ついてこいっていってんだろ」

「俺を仲間に入れてくれ」

 あっれぇ?

 これって多分あれだよね?「勇者予言の書」に書かれてた「ライバルが現れる」のところだよね?

 僕滅茶苦茶強引な勧誘しなかった?

 そしてボイルさんその強引な勧誘受けてなかった?

 ライバルになってないじゃん…?

「お…おい、気をつけろよボイル…こいつ怖いから…」

「怖い?いいや、あいつは怖くなんかないさ。あいつはただ人付き合いが下手なだけだ。」

「さっさとこい」

 人付き合いが下手なのはこっちの人格だけなんですっ!!



【武器屋に入った】

「ここは武k」

「これとこれとこれ、あとそうびする」

「まいど!」

 なんか武器屋さんの扱い雑になってない!?

「これそうびして」

「了解だ、勇者。」

「えっこれ露出多くない?」

「そうびして」

「ええ……」

 うわあセクハラだぁ……訴えられなきゃ良いな…

「お、兄ちゃん。孤島の話知ってるか?」

「しってる」

「ああ、東のちっせえ孤島の話d」

「しってるっつってんだろ」

【勇者は村を出た】




「で、ああああ。どこに行くんだ?」

「魔王城の方角に決まってるでしょ。北に――」

「ひがし」

「え」

 何で?

 東に何があるの?

「いくぞ」

 半ば強制的に行くことになった。




【東の孤島の村】

「こんなところに村なんてあったんだ……私知らなかったわ」

「ぶきやがいってた」

「武器屋?武器屋は特に何も…いや、これが東の孤島か」

「ここになかまがいる」

「予言!?」

 台詞が切られなくなった…?

 何でだ…?

「おお、勇者様――」

 あ、村長の方かな?

「とおせ」

「ここはメボイの村で――」

「とおせ」

「娘がちょうどあなたに――」

「とおせ、あわせろ」

「わかりました、ではこちらに」

 失礼とか思わないのか別人格さんは……。




【宿にて】

「娘さんとは村長の家に行けば会えるそうよ、会ってきたら?」

「いってくる」

「気をつけろよー」

 なんかやっと平和になった気がするぞ…。旅を始めて10分しか経ってないけど。




【勇者は村長の家に向か】

「おお、来てくださいましたか勇者ああああさーー」

「むすめさんは?」

「今呼びます」

 娘さん…どんな人なんだろうか。

「………」

「出てきなさい」

「こわい」

「…。」

 そりゃ怖いよね!

 村長に「とおせ」って言った人だもんね!

「お願いがあるんです、勇者さん」

「なに?」

「洞窟に友達がいて……その…」

「おっけ」

 え、何?何がおっけなの?

「どうくつは?」

「まさか…あの洞窟は――」

「どうくつは?」

「ダメです勇者様!行ってはなりま――」

「おしえろ」

「……この孤島の真下。洞窟と行ってもそこはただの洞窟ではあり――」

「うみか」

【勇者は歩みだした】

 ちょっ…天の声さん!?止めてくださいよ!!




【海底洞窟にて】

「バグらせる」

「…バグ?なんのこと?」

 僕は壁に頭をぶつけ始めた。

「ちょっ!?ボイル!?これ大丈夫なの!?」

「なにか考えあってのことだろう、大丈夫だネイロ。」

「ボイルさぁ、勇者を信頼しすぎだよ…?」

【勇者、ネイロ、ボイルはレベルが上がった!】

【勇者は竜斬りを覚えた!】

【勇者、ネイロ、ボイルはレベルが】

【勇者、ネイロ、ボイルはレベ】

【ネイロは虎殺しを覚えた!】

【勇者、ネイロ、ボイルはレベル】

【勇者、ネイロ、ボイル】

【ボイルはアンチダメージを覚え】

【勇者、ネイ】

【勇者】

【勇】

【勇】

【】

【】

【】

【】

【】

【】

【】

【】

【】

【】

【】

【】

【】

「レベル20」

「は?」

「もう皆レベル20だよ」

「勇者すげぇ…」

 ボイルくんの勇者信仰が加速しちゃったよ……

「どういうことだ!?」

「ここはラストダンジョン。

「ラストダンジョンなの!?」

「うん、レベル4じゃたりないから経験値バグ」

 経験値バグ…?

 もう何がなんだか…。

「いくよ」

「お、おう。」




【深海王のすみか】

「あれ、早くない?」

「たいまつ5こもってるから。」

「たいまつでワープ魔法使えるの!?」

「いや、コードバグだよ」


 ガタン。


「よく来たな勇者よ――」

「はよしろ」

「私は魔王様を除いて最強、四天王の最後の一人――」

「はじめろ」

「私は〈コア〉を破壊されない限り不死身である。お前は私に勝つことはできな――」

「うるせえ」

「魔王様に挑んだ数多の戦士は私に勝てず――」

「だまれ、フラグたててねえでさっさとしろ」

「我が養分としてやるわ!!」




【深海王が襲ってきた!】

「これが最強のわざ、龘斬り」

「と…とう?」

「48回こうげき。」

「48ぃ!?」

「ほら、君らも、神殺しとアンチワールド。」

「何そのエグい技!?」

 レベル20、それはこの世界での最強の称号である。

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