勇者ああああ~RTA走者の勇者になって最速で魔王を討伐する~

cs放送

第1話


――冒険の書をつくる。


【ここは魔法が存在するちょっとだけ不思議な世界。】

【その世界は、魔物を使役して世界を闇に包もうとする魔王によって、とてつもない危機に直面していた。】



――主人公の名前を決



【王様の城にt】

「おお、ああああ!そなたが来るのを――」

「はい」

「今日ここ――」

「はい」

「今この世界は魔王の闇にのま――」

「はい」

「勇者ああああよ!」

「はい」

「お前にはこの世界に君臨するまお――」

「はい」

「わしからの送り物――」

「はい」

「そこの宝箱――」

「はい」

「ではまた会おう!勇者あああ――」

「はい」

 ………。

 え、何一つ聞き取れなかったんだけど。

 とりあえず宝箱開ければいいのかな……?

【宝箱を開けた 120ゴールドゲッt】

【宝箱を開けた たいまつを手に入れt】

【宝箱を開けた 光の翼を手にいr】

 おお、なんか色々入ってた……。

 本当にこれ僕のでいいんだよね!?聞き逃してた部分に『そこの宝箱の下にある鍵を取って……』みたいなこと無いよね!?




【勇者は壺を漁っt】

 え、何で何で何で!?

 駄目でしょ勝手に城の壺漁っちゃ!!

 何で僕は漁ってるんだよ!!

「あ、薬草あった」

【勇者は薬草を手n】

 いや、取っちゃ駄目取っちゃ駄目。せめて許可取ってから――




【勇者は城を出た】

 盗んじゃったよ……。

 やばい、いきなり勇者失格だ。

 ああ、まずいまずい。こんな草原で立ち止まってたら魔物が来ちゃう…!!

 とりあえず近くの村に!!あと武器屋さんで装備を整えてもらわないと!!




【勇者は最寄りの村に行った】

「ここは武器屋だ。どんな用――」

「これとこれください」

「早速装備」

「ハイ」

「ほらよ!ああああ!」

「他には何か――」

「ないです」

「また来てくr」

 ………。

 話聞けよッ!!

 そして何で言ってる側は気づかないんだよ!めっちゃ分かりやすく無視してるだろ!気づいてくれ!そして怒ってくれ!

 というか僕は何を買ったんだ……?

 そして次はどこに向かってるんだ?

「いらっしゃいませ!ここは道具屋」

「これ」

「竜の皮ですね。かしこま――」

「はやくしろ」

「はいどうぞああああさ――」

「薬草とたいまつを5つずつ」

「はいどうぞああああs」

「じゃ」

 ええええええええええええええええ!?

 なに!?「はやくしろ」って何!?

 なんでそんなこと言ってるのぼk

【竜の皮を装備した】

 いつの間に装備してるし!?



【勇者は街を出た】

 はあ、冒険を始めてまだ3分……なんか罪悪感だけが募っていく気がする。

 それはそうとこれから僕はどこに向かえば――

【勇者は北に向かった】




【勇者は森に入った】

「うえぇ…ここ絶対魔物来るじゃん!」

 わかるもん。

 なんかもう森側が「ここ魔物くるよ」って言ってるもん!!


「くっ……手強いな…!!」

【遠くから声が聞こえた】

 えっ、なっ何!?

 手強いって…まさか僕以外にも勇者が!?

「あっ…あのーっ!大丈夫ですか!?」

「あ、あんた!このスライムなかなか倒せないんだ…!てつだってくれないか!?」

 鎧を着たその女性は言う。

「はっ…はい!!」


【戦闘開始】

「えい」

「グアッ、イタイ」

【スライムに1のダメージ】

「ちょっとやる気が感じられないんだけ――」

「コッチモコウゲキ」

「いたっ……!」

【???に1のダメージ】

「こうげき」

「グアアアアアア」

【スライムに2のダメージ】

【スライムをやっつけた!経験値を2獲得!4ゴールドゲット!】


「ええ……?」

「たおしました」

「お前…つ…?強いな…??なかまにさせてくれないk」

「うっすなまえおしえて」



――名前を入力s



「私の名前はネイロ。よろしくな」

「よろ」

 …なにこれ。

 何で僕の身体たまに自我失うの?




「この先に私の村があるんだ。よかったら来ないか?」

「あ、多分僕の目的地もそこなので行きます。」

「うん、ならまあ、来てよ。」

 僕は森の中を、それも一歩出いける距離の場所をぐるぐるぐるぐると回っていた。

「いや、それが自分でも何をしてるかわからないんですよ……」

「ええ……?」

【スライムがあらわれた!】

「ああほら!謎の儀式してるからまたスライムが――」

「えい」

【スライムに3のダメージ!】

【スライムをやっつけた!経験値を1獲得!4ゴールドゲット!】

「ワンパン…?」

「うぇい」

 ぐるぐる。

【スライムがあらわれ】

【スライムに3のダメー】

【スライムをやっつけた!経験値を2獲得!4ゴールドゲット!】

「どんどん加速してない…?」

「たぶんしてる」

【スライムがあら】

【スライムに3】

【スライムをやっt】

「おいちょっと止ま――」

【スライムが】

【スライムに】

【スライムを】

「らすとかな」

「ラスト…?」

 何がラストなんだろう。

 自分で言ってるのによく分からない。

【スラ】

【スラ】

【スラ】

【ああああはレベル2にあがった!ちからが2上がっ】

「よしいこう」

「え、行くって…私の村に?」

「さっさとつれてけ」

「えっこいつ怖い」

 僕も怖いんです!!

 自我が!

 体が言うことを聞かないんです!!




【村に入った】

「こ、ここが私が住んでる村。」

「そうですか…きれいな街ですね。」

「お前二重人格だったりする?」

「かもしれません。」

 僕はこの村に向かうまで常時トランス状態で敵を倒し続けたため、既にレベルが4になっていた。

 現在旅を始めて6分。

「おいネイロ、また旅人を連れてきたのか?」

「おまえだれだ」

 ……。

 最悪のタイミングで新キャラに出会った。



――名前を入r



「俺の名前はボイル。魔法使いをやって――」

「そっか」

「俺は毎度旅人に対して――」

「さっさとようをいえ」

「だからお前に――」

「いえ」

「俺と戦って強さを証明しろ!」

「わかった」

 突然の魔法使いとの戦闘をノータイムでOKしてしまった。

 これから僕はどうなるのだろうか。

【魔法使い ボイルが現れ

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