深夜徘徊『WATERREMIX』
夜。は、寝るもの。
夜。は、寝るもの。
それが一般人の考え。
でも、僕はシャワーを浴びるのが好きで。
夜。シャワーをいつも浴びる。お風呂でシャンプーを体に塗りたくって、シャワーで洗い流す。そんな毎日。
昼。ずっと寝てる。夜。風呂場でシャンプーハットを着けて全身をくまなくモコモコにする。そんな毎日。
シャワーの水はどっから来てる。元をたどれば僕のお金。お金なしで出てくればいいのに、そうはならない現代社会。
夜。は、起きるもの。
夜。は、起きるもの。
それが猫、ライオンの考え。
夜。はすごく怖い。夜。はすごく怖い。そう思うけど……。
夜。シャンプーを付ける。そして、シャンプーを洗い流す。
夜。ふろ場のドアを開けて体にシャンプー付けて、風呂場のドアを閉めてシャワーで洗う毎日。夜。ピンクのシャンプーハットが僕の頭に、まるで河童のようだ。今日はいつもよりいい。天から降り注ぐシャワーの水圧がいいな。
シャワーの水はどっから来てる。元をたどれば僕のお金。お金なしで出てくればいいのに、そうはならない現代社会。
水道止められてシャワー出ない。シャワー出ない。
シャンプー塗りたくるのはいいけど、流せない。助けてよ。
水道止められてシャワー出ない。水出てよ。助けてよ。
もう二ヶ月滞納してるよ。お風呂では流せない。流せない。
流せない。流せない。ない。水ないよ。お湯ないよ。水ないよ。水ないよ。水ないよ、水。水。水。
あ、今日も外、シャワー降ってる。
外でらんらん、ちゃぷちゃぷらんらん。外で裸でちゃぷらんらんらん。シャワーハットで、裸でちゃぷらんらん。天然のシャワーが僕のもこもこを洗い流す。
冷たいけど我慢しなきゃ、ちゃぷちゃぷらんらん。ちゃぷらんらん。
ちゃぷらんらん。ちゃぷらんらん。ちゃぷちゃぷらんらん。ちゃぷらんらん。
僕は今日も洗ってる。全身をきれいにしてる。雲から解き放たれた雫が、僕のけがれを消していく。
よし、今日もさっぱりしたぞ、と思ったのも、つかの間。後ろから声を掛けられる。傘をさした警官だった。
「あなた、服を着なさい」
そして僕は裸で雨を浴びることを本日限りで禁止にさせられた。
MINASOKO EP YOSHITAKA SHUUKI @yoshitakashuuki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます