第5話 クライシス・マネージメント(危機管理)

大学日本拳法時代、「行き当たりばったり」「出たとこ勝負」的精神を鍛えたおかげで、どんな危機でも乗り越えることができた。


まあ、

○ 「今まではうまくいった」という話で、これから先はどうなるかわかりませんし、

○ 「危機を乗り越えた」とはいえ、もっと懸命な解決策が他にいくらでもあったかもしれません。

その意味では、「行き当たりばったりという問題解決手法」で、私なりの人生を楽しんでこれた、ということなのですが。

********************************

大学日本拳法時代の私は友人を作りませんでした。

昇段級審査や大会で、私の先輩たちも同期も後輩たちも、各校のそれぞれの代(1・2・3・4年生)同士で、駄弁って(おしゃべりをして)いましたが、私はそういう仲間に入りませんでした。会場内、トイレとかで出合えば「オウ」といって、目で挨拶くらいはしましたが。

「友だち」になったら、昇段級や試合で「思いっきりぶん殴れないじゃないか」と思っていたからです。

私の楽しみは、大きな大会で、海の元とも山のものともわからない相手と、何の予備知識なしに、ぶん殴り合いをすることにありました。

ところが、私の先輩も同期も後輩も、私とやる(であろう)相手選手はこういう技・攻撃が得意だから気をつけろ、なんてアドバイスをしてくれましたが、私の耳には全く聞こえていませんでした。(私は先鋒オンリーでしたので、対戦相手はほぼ予想できたのです。)

道や駅でバッタリ出会った不良と殴り合いになる。

そのドキドキ感・緊張感を楽しみにしてやっているのであって、(みんなには悪いのですが)試合に勝つことなんてどうでも良かった、というか、まるっきり気にしていなかったのです。

そんな私の心を見抜いていたのか、同期の桜井(キャプテン)には、「緊張感がない」と、よく扱き下ろされていました。

続く


2024年1月30日

V.3.1

平栗雅人

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私流 大学日本拳法の極意 V.3.1 @MasatoHiraguri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る