第4話 自分の身体で実験できる(体力と気力)

健康法・不健康な食べ物・習慣といったことを、先ず自分の身体で試してみようという生き方に、耐えるだけの心と身体。

  大学日本拳法をやって体力やガッツ(根性)がついた、とよく言いますが、私の場合、上記「自我の覚醒」「偶像崇拝しない」にも関連しますが、自分の頭と身体で考え、それを実行できるだけの「フォルト・リダンダンシー fault redundancy」「フォールト・トレランスfault tolerance」能力(心と身体)が画期的に増強されました。


*** フォールト・トレランスfault tolerance : システムに故障が起こったとき、全面的な機能停止に至ることなく、性能の低下はあっても正常な動作を保ち続ける能力。 ***


① 大学日本拳法時代「40℃の高熱でも練習を休ませてもらえず、死にそうになりながらも、翌日、完治した松原先輩」の記憶(拙著「思い出は一瞬のうちに」「東洋大学日本拳法部名言集」)。


② 社会人時代は、風邪を引いても医者に行く暇がないくらい忙しかったので、自分で治さねばならない。


この二つの理由によって、サウナ(医者は昼間だけですが、サウナは深夜までやっている)で体温を上げ、風邪の菌を身体から追い出す。また、部屋をガンガン暑くして厚着をし、毛布と布団にくるまり寝る(何度か汗びっしょりになった下着を交換する)という、私流の治療法を実行することで、一度も会社も休まずに完治しました。卒業から40年、いまだにこれで風邪は1日で治ります(悪い菌が身体から出ていく?)。

  今はサウナに行かず、熱いシャワーで間に合わせています。


要は、風邪の菌が居着きにくい身体環境にしてしまえば、勝手に入り込んできた風邪の菌は、やはり勝手に出て行ってくれる、ということです。風邪の菌には耐えられないような劣悪な環境でも、私は我慢できる。

  サウナも・厚着で寝るのも・熱湯シャワーでも、体力と気力がなければ我慢できませんが、そういう、多少悪い環境にあっても、心と身体が機能停止しないだけの心的・体力的な「余裕・冗長性」、それを(私は)「フォルト・リダンダンシー fault redundancy」とか「フォールト・トレランスfault tolerance」と呼ぶのです。

何か複数の物を接合する時、1ミリ・0.1ミリくらいの「遊び」がないと、全体としてうまく組みたてることができない。遊びなしで全部きっちり接合してしまっては、却って全体が歪んでしまう。

たとえば、ぶら下がり健康器なんていう物を組み立てる時、はじめから各部分を100%きっちり締め上げてしまっては、微妙に歪んでしまう。99%の締め具合にしておいて、最終的に99.999%くらいに締めて完成とする。敢えて100%にしないのは、完成してぶら下がっている内に、バランスが取れない部分を見つけるため。また使用中、どこかに無理がかかった時、その衝撃を別の部分で吸収してくれれば、fatal(致命的)な事態を回避できる。

これがフォルト・リダンダンシーやフォルト・トレランスという「遊び・ゆとり」の考え方です。

大学日本拳法時代、かなり肉体的に無理を越えた練習をしてきたため、この遊び・余裕の部分が広がった。肉体と精神は一致しますから、肉体が酷使されるのに耐えるだけの精神力が、これに引きずられて強くなったのか、精神力が肉体を引っ張ったのか。

いずれにしても、夏目漱石の「坊ちゃん」と同じで、子供の時から物怖じしない性格でしたが、それが大学日本拳法で更に強化されたようです。

さまざまな健康に関する(自分の身体を使った)実験、こういうことを言ったら人はどう思うのかといった人間関係に於けるさまざまな試み(冒険)等々、「力技のような試み」ができるだけの肉体的・精神的な余裕・遊びによって、卒業後、仕事や遊び(余暇の過ごし方)の幅が広がりもし狭まりもしましたが、人生というレンジで考えると、今回はずいぶんと可能性を広げてくれました(この歳になると、もはや収束・終息するだけですが)。

2024年1月28日

V.2.1

平栗雅人

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