第44話
~八神side~
門を開けた先には、蒼いドラゴンがいた。
———グルルルルル………
俺の姿を捉えた瞬間
蒼い竜 『セレストドラゴン』は氷雪系最上級魔法『コキュートス』を初手から放ってきた。
———ビュオオオオオオオオオ!!!
「すぅぅぅぅぅぅ……」
———『身体強化』!
『身体強化』をして蹴りを放つ。
———ブワァ!!!
『コキュートス』と『身体強化』で強化された蹴りから発生したエネルギー同士がぶつかり合い、互いに相殺され消失していく。
———グルルルゥ……………
『コキュートス』を放ってきた『セレストドラゴン』を見ると追撃することはなく、じっとこちらを見てきている。
コイツ、竜種にしては随分慎重だな……
———パリ……パリ……
チラっと地面を見ると『コキュートス』の影響で地面が一部凍っていた。
……完全に相殺したと思ったんだが、少しだけ『コキュートス』の方が上手だったな。
それに、少し妙だ。初手から『コキュートス』を放つ時点でレッドドラゴンといった竜種とは少し毛色が違うな……
———グルルルゥゥゥ
『デスアイス』 10連発
『桜吹雪』
俺は『デスアイス』を『桜吹雪』相殺しながら少しずつ『セレストドラゴン』との距離を縮めて行く。
あと数10メートルの距離になったところで『身体強化』で一気に距離を詰めて『鬼丸国綱』を抜いた。
——フンッ!!!
『セレストドラゴン』の首を真っ二つに切る
————はずだった
『未来視』発動
「……?!『身体強化』!!」
———グァァァァァァァ!!!
『竜種魔法』 『フロストブレス』
竜種だけが唯一使うことができる魔法の一つ。
俺が首を刎ねようとした瞬間に撃ってきた。
『身体強化』を使って空中で空気を蹴って回避すると今いた場所にレーザーと遜色ないブレスが通りすぎた。
——ドォォォォォォォォォン!!!
「………流石に喰らったら痛いじゃすまないな」
グルルルルルル………………!!
『セレストドラゴン』を見ると惜しかったとばかりに地面を凍らせながら俺を睨んでいる。
———これで確定した。この『セレストドラゴン』は普通の竜種よりも慎重だ。
若いドラゴンは初手から軌道が分かりやすいブレスを放つのが大半だ。魔法は殆ど撃ってこない。こちらを舐めているからだ。
だが、この『セレストドラゴン』は俺を舐めてない。むしろ警戒している……
竜種が人間を警戒するなんて普通はあり得ない。だがこの『セレストドラゴン』は
俺を敵として警戒している。
やりにくいな…。
——警戒しているんだったら無理やり防御をこじ開けてやる。
「フゥゥゥ……!『桜吹雪』!!」
———グァァァァァァァァ!!!!
『コキュートス』
『デスアイス』
『デスアイス』
『桜吹雪』と『コキュートス』が相殺しあい相殺できなかった『デスアイス』を、
『鬼丸国綱』に魔力を纏わせて切っていく。
———スパン!! スパン!!
『未来視』発動
瞬間的に『身体強化』を使い左に避けると避ける前の場所に音速で『フロストブレス』が飛んできた。
———ドォォォォォォンン!!
——グルルルルゥゥゥアアアアア!!!
氷雪系最上位魔法『氷嵐』
『セレストドラゴン』は自身に『氷嵐』を纏わせることで俺が攻撃できないようにした。
——ヒュォォオオオオオ………
そして、周囲にも『氷嵐』の影響が出てくる
———ゴォォォォォォォ………
天候が完全に吹雪になり、『フロストドラゴン』に有利な状況となった。
——『未来視』発動
先ほどよりも威力が強い『フロストブレス』が飛んでくる。
それを空気を蹴って紙一重で躱すと、また『フロストブレス』が飛んでくる。
「…………チッ、安全圏からチマチマ打ちやがって」
………だが、このままだとジリ貧だ。
———被弾覚悟で突っ込むか。
「『身体強化』」
『身体強化』で『セレストドラゴン』に一気に近づく。
『未来視』発動
「もう飽きたぞ………その攻撃は」
全ての『フロストブレス』をギリギリ喰らってしまうが、接近して行く。
「ぐぅぅぅ…」
被弾した脇腹から熱を一気に奪われていったので脇腹を刀で削ぎ落とし、魔力で回復させていく。
回復させながら俺は一気に『セレストドラゴン』に近づいていった。
『セレストドラゴン』は『氷嵐』を展開しながら『フロストブレス』をまた撃ち続けてきた。
———俺が突破出来ないとでも考えてるんだろうな
そして距離が数十メートルになった時に俺は大きく飛躍した。
『未来視』発動
未来では俺が『フロストブレス』で凍りついているビジョンが見えた。
——ならば、『フロストブレス』ごと切るまでよ!!
———スゥゥゥゥ……………………
これから魅せる技は、『Arrogance』と戦った時に出した技。剣の頂点に君臨する技だ。
魔力を練って練って練って……練って練って練る———
魔力が黄金色に変わっていく……
?!?!グァァァァ……!
『フロストブレス』をまた撃とうとしてきた『セレストドラゴン』はやばいと思ったのか頭に魔力を集中させ防御しようとしている。
——————だが、遅い…………!!
これが人間の力だ。死ね
秘剣 『燕返し』
音速を超える剣撃は
『氷嵐』を容易く突き破り、『セレストドラゴン』を真っ二つにした。
———グァ………………?
『セレストドラゴン』は自分の身に何が起こったのかもわからずに消滅していった……
「———竜種は強い。人間よりも、遥かにな………
——だが、唯一の弱点は
自分の力に過信しすぎていることだ」
———残ったのは『セレストドラゴン』の『魔石』だけだった。
————
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とあるダンジョン探索者の日常 カイドウ @nakkunjojo
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