「普通」ではない主人公が、「普通」を目指した物語

※読み合い企画からのレビューです

「普通」ではない才能を持った主人公が、「普通」に憧れ高校生活を送る
シンプルな導入にも関わらず、第一話の時点でピンと来て、そのまま最終話まで一気に読み進めてしまった
「この作品は絶対に面白い」という一種の勘だが、まったく正しかった
主人公と共に過ごすことになる三人の少女たちは、それぞれがそれぞれの問題を抱えている
そして、主人公が三人の問題を解決したあと、三人が主人公の持つ問題に触れていくという構成が美しく、章タイトルが各キャラクターの名前になっていることも含めて非常にセンスがいい
十代の少年少女ならではの繊細さ、まるで学生の頃を思い出させるようなリアリティのある心理描写には思わず舌を巻いた
名作と言って良い出来なので、是非読んでほしい