僕は最強賢者猫である
「……これで僕は普通の猫なんですね?」
「?」
「?」
「!?」
(あれ? 僕まだ人間語喋れてる?)
金髪がオヤビンの方に手を乗せる。
「ヘイヘイ、サリサ遺伝子治療失敗したの?」
「そ、そんな、間違えてればサポート装置が知らせてくれるはずだし、それにこの子からルシファーのパワー消えてるの分かるでしょ!」
「たしかにルシファーのパワーとはぶっちんしてるねえ。成功だよ、これ
ねえ。元々人間語喋れたとかない?」
「……ない(ぶんぶん)」
桃色の女の言葉には正直に答えておく。正直、オヤビン含めた3人の内で一番尋常ならざる霊気を持っているのはこのメスだ。どう表現すべきか、神の側近というような感じである。
と、目の前に蝶々が飛んできた。
蝶々を捕まえようと、僕は手を振った。
カチン! コチン!
蝶々には当たらなかったが僕の手の先に氷の塊が現れた。
「?」
「?」
「!?」
見上げるとオヤビン含む3人の驚愕顔がみえる。
「イントロンによる覚醒って人間だけだよなー」
「びっくり」
桃色の女もびっくりしている。
「わたしも聞いたことない………超能力の発現者は人間型の生き物だけのはず」
とオヤビン。
「本当にルシファーのリンクとれてる?」
と金髪男。
「わたしが間違うわけないじゃ~ん! この春女様の目は誤魔化されないよー、うん、ちゃんと取れてる」
「これはなんのこっちゃー」
とオヤビン。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
それからオヤビンの元で半分放し飼いという事で命も取られず過ごしております。
冒険者ギルドとやらにも入りました、
「最強賢者猫ケンちゃんです。よろしくお願いします」
なんか最強、とか賢者とかが人間の間で流行ってるらしいので僕も使わせてもらってます。追放とかも人気らしいけど縁起悪いのでこちらこそそんな言葉は追放です。
「猫では最強だし」
と人間の居住区ではない森の猫にエサを分けあたえてる時にそんなことを思う。
オヤビンとの関係も良好。
オヤビンの連れとも良好。色々あったけど住めば都って人間のことわざは本当なんだな、と思いながら丸くなって眠りについた。
僕は最強賢者猫である 白い月 @mrwhite
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