付 録
著者あとがき
初めましての方は、初めまして。お久し振り! な方は、ご無沙汰しております。県です。
この度は、初めて『原作付き長編』というものに挑戦してみました。
『原作付き長編』って、聞き慣れないなぁと思う方も多いと思います。当たり前です、私が造った造語なんですから(笑)
で、何でこのような表現をわざわざ用いたのかと申しますと、先ずこの作品が『執筆依頼を請けて書かれた小説』であり、その依頼時に於いて既にあらすじ、キャラクターイメージ、人物相関図などの資料が揃っていて、これを私の著作とするのは……という躊躇いが生じたからなんですね。
依頼者であられるYUCKY様は『私は依頼しただけで、全ての著作権はそちらにある』と仰って下さっているのですが、ここまでお膳立ての揃った資料を頂戴しておきながら『私の作品だ』とは言えないですからね。なので、依頼者様をそのまま『原作者』とし、私は『著作者』として今回の製作に携わった訳で御座います。
しかし、元の設定を踏襲して、なるべく元のイメージを崩さぬよう気を配りながら執筆しましたが、かなり当方で手を加え、世界観を拡張した事実は否めないんですね。
例えば、原作には『ウーノ』『ノーヴェ』といった他の地球の名前も、国王の氏名も無く、主人公ランスロットの義兄に当たるクリス王子も存在しませんでしたからね。その辺は相当弄らせていただきましたが、YUCKY様もご満足していただけたようなので、結果オーライかなー、と。
それにしても、元の設定がしっかりしていた上、ラストを先に固めてから執筆に掛かった所為か、凄く書き易かったですね。無論、私が嘗てファンタジーに手を染めた経験が無かったが故に当初は不安が付き纏いましたが、打ち合わせをしながら筆を進めていくと、なんのなんの。まぁスルスルと書けてしまう事。自分でも驚きましたね、えぇ。
さて、本作に寄せるテーマ……と申しますか、私から読者様へのメッセージは『守るべき者の為に何処まで頑張れるか』という事でしょうか。
これは既存作品の中にも散見されるテーマなんですが、例えば『自分を守る為に大事な人が死んでしまった』となったら、残された側にとっては本末転倒になる訳で。逆に『私を残して、なぜ死んだ!』になってしまうでしょう。ですが、散って行った者がどのような気持ちで命を賭したか、その気持ちも汲んで欲しいなぁ、と云うのが本作に隠されたメッセージなんですね。
無論、無意味に散ってしまったのでは只の安っぽいお涙頂戴な浪花節になってしまいますので、それは執筆上のタブーとして封じ、その賭した命にどのような想いが込められているのか……という事を思わず考えてしまう、そう云う作品に仕上げたつもりですが……さて、如何だったでしょうか。
本作は、ラストこそ爽やかに結ばれていますが、キャラたちの気持ちはかなり複雑なのではないかと思っています。散った者、残された者がそれぞれどのような未来を紡ぐのか、それを読者様に想像していただく……そして沢山の『その後』が生まれれば、これは物書きとしてかなり嬉しい事になりますね。
では、結びになりますが……今回も当サークルの作品を手に取っていただき、誠に有難う御座いました。
そして、このような良い仕事を与えて下さったYUCKY様にも、この場をお借りして御礼申し上げます。
2014年8月31日 県 裕樹
Sacrifice ‐終わりのない贖罪‐ 県 裕樹 @yuuki_agata
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