ファーストキス

紫陽花の花びら

赦しのキス

 僕の唇が、君の唇を挟む。君の唇が、僕の唇を挟む。僕らはただ、それを繰り返した。君の唇は柔らかかった。その柔らかい唇を、僕の唇が包み、一体になるとき、僕は幸福だった。抱き合い、君の体温を感じながら繰り返す接吻は、僕らの孤独や、苦悩を溶かしていった。僕は初めて、許されているように感じた。今まで、一人でもがき苦しみ、辛く孤独に生きてきたのは、この時のためであり、僕は、やっと、報われたような気がした。これからも、生きていていいような気がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ファーストキス 紫陽花の花びら @ajisainohanabira

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ