また、カクヨムで面白いものを見つけてしまいました。
よくぞ、この作品を書いてくださったと作者さんには感謝したいです。
作品形式がとても独特で、ある商店街へと入り込んだ『主人公』を中心に話が進んでいきます。
その先で、ある不思議な少女と出会う。少女は『なぞなぞかくれんぼ』をやろうと言ってくる。
『死(し)を皮(かわ)で挟んだ植物はなーんだ?』
『一円、十円、百円、千円、十万円、終わりのない「円」と言えば?』
作中で何度も出される『なぞなぞ』。解かずにいられません。でも、普段解きなれていない頭では、そうそう簡単に答えは出ません。
ホラーなのでちょっと不吉な答えになるのかとメタ読みして敗北したり、「く、そう来たか!」とやっぱりホラー的な答えが来たり。本気でなぞなぞが解けなくて悔しかったり、一問だけ解けて得意になったり(というか五問目しか解けなかった……)、気づけばもう夢中になっていました。
『なぞなぞ』という、誰でも簡単に参加でき、かつ、自然と熱が入ってしまう遊び。それを作中に取り込むことで、かつてない遊戯性をホラー小説の中に取り込むことに成功しています。
他にはない独特な読書体験が得られます。上記した『なぞなぞ』の答えが気になる方も、是非とも手に取ってみてください。