第弐話 英雄、新米を助ける

GM:ほーいミラ、久々にアフターヴァイスやるべ。キャラシ出して成長報告。


ミラ:お、久しぶりにこっちか。

うーい、ミラことミラージュさんですよ、っと。成長報告っても今回は地味なもんさね。技能成長は無し!能力成長は…あ、3ゾロ…(笑)

GM:よー筋力上がるなミラージュ。(笑)

ミラ:サーベルやロングソードじゃゴースト出たら詰むわってミッソ(ミスリルソード)振り回す事に躍起になってたからヴァイス中は意図して最優先にしてたからねぇ…冷静に考えたら多少プラスして銀武器買えば良いだけなんだけど…

GM:あ、それ。ずっと疑問に思ってたんよ。何でミッソに拘ってたん?

ミラ:いや、武器のカスタム項目で何故か銀製武器の項目だけ綺麗に抜け落ちてガチで気づいてなかった。(一同爆笑)

GM:ガチ!?(笑)

ミラ:ガチなんよなぁ…(笑)

GM:器用なポカミスかますなぁお前…(笑)

ミラ:まぁ魔法の武器化とかオーダーメイド加工とかイグニタイト加工ほど使わないから多少はね?(笑)

GM:イグニタイト加工使う機会も十分少ない。大人しくアビス加工せぇや。(笑)

ミラ:呪いの武器は勘弁。(笑)


ミラ:ところでGM?

GM:おん?

ミラ:聞きそびれてたんだけど彼処見学者席前で延々カズチカと棚橋の決めポーズ繰り返しキメてんの君のお知り合い?(一同爆笑)

GM:一応君の学生時代の数少ない友人…(笑)

えー…で!今回から一人仲間が増えまーす!

ミラ:(無駄に電子音風に)CHANGE!

GM:そのライフライン使っちゃってますね、ノーチェンジっすわ。(一同笑)

ミラ:何残ってんだよ!

GM:オーディエンスかな。(笑)

ミラ:オーディエンスか~、この距離でオーディエンスか~!

GM:まぁ、まだ暫く出番来ないんで、座ってて。

新PL:はい。

GM:では、セッションを始めます!


一同:よろしくお願いしまーす!


◇◇◇


GM:ほい、では〈ドラゴンファイア〉。何だかギルド支部全体が騒がしい様な?

ミラ:受付嬢リーナ捕まえて理由聞きますが。


リーナ:あ!?ガイストさん!丁度良い所に!

ミラ:ん?

リーナ:緊急クエストです!


GM:そういってリーナは君を椅子に座らせるとドカッと地図を拡げながら自分は読める程度に乱雑な字で依頼書を書きなぐって行きます。


◇◇◇

【緊急】迷宮の糸となれ


【依頼】

新人冒険者達の救出

【目的地】

ザッタナ洞窟

【報酬金】

5000G

【依頼者】

リーナ・バークマン


ソノヘンノ平野に有るザッタナ洞窟周辺にミノタウロスが確認されました!現在ザッタナ洞窟にはゴブリン退治の依頼を受けた〈青空の船出亭〉の新人冒険者達が活動中です!彼らがミノタウロスに襲撃されないよう、また襲撃されていたら一人でも多く生き残るよう、彼らの救出に力を貸して下さい!


◇◇◇


ミラ:ミノタウロスねぇ…ここんとこ牛ばっか追いかけてる気がするなぁ俺。(一同笑)

リーナ:本来ならパーティーを組んで討伐する相手なんですが…

ミラ:出られるのが俺だけなら仕方ない。念のためいくつかポーション買ってからすぐ出る。


GM:因みにボルトンさんが馬車出してくれるよ。本人も武器担いでるんで、場合によっては参加する気みたいッスね。

ミラ:頼もしいけど大人しく帰りまで馬車守っててくんねぇかな。(笑)


◇◇◇


□□□   北

□□□  東  西

□□S     南


GM:はい、大体こんな感じ。

ミラ:ほむ。前と同じでSマークが現在地兼スタート地点で良いんだよね?明かりは?

GM:ですです。今回の救出メンバーは以下の通り。明かりは気にしなくて良い。


・アンリ

人間の女性拳闘士

・セシリア

人間の女性神官

・ゾフィー

エルフの女魔術師

・ロドリゲス

人間の戦士


新PL改めセシル:因みにセシリアが私でーす。

ミラ:何でそんな女ばっかでパーティー組んだの…(一同笑)

GM:本当は女の子三人でパーティー組んで冒険者になろう、って故郷を飛び出したヤンチャ娘三人を心配したロドリゲス老人がハーヴェスに着くまでの前衛役、つって保護者引き受けてくれてそのままなあなあに、みたいな?(笑)

ミラ:スゲェな。こんだけ説明されてロドリゲス老人がいい人な事以外情報が入って来ない。(一同笑)

GM:まぁ皆が皆、君みたいに濃い人生送って無いんで。で、どうする?

ミラ:とりあえず北上。


GM:ほい、ではさらに北方面から鬼気迫る顔で走って逃げている神官姿の女が。

ミラ:はぁ?


セシル:ぼ、冒険者の方ですか!?助けて!

ミラ:あ、ハイ、冒険者です。(一同爆笑)


GM:お前もうちょい気のきいた返しを!(笑)


セシル:仲間達が突如現れたミノタウロスにさらわれちゃったんです!ロドリゲスさんはその時死んじゃって…私は命からがら…


GM:ん、てな訳で。

セシル:キャラ紹介でーす!(一同笑)


◇◇◇

名前:セシリア

種族:人間

性別:女

年齢:15

生まれ:神官

身長:139cm(140cmです!)

体重:ひみつ

髪の色:金

経歴:

能力値ダイス:技4 体8 心9 A12 B8 C10 D12 E12 F11

最終能力値:器用度16(+2) 敏捷度12(+2) 筋力18(+6) 生命力20(+3) 知力21(+3) 精神力20(+3)

保有経験点:なし

合計名誉点:なし

保有名誉点:なし

HP:26 MP:26

冒険者技能:プリースト(ライフォス) 2 レンジャー 1 セージ 1

一般技能:なし

戦闘特技:魔法拡大/数

武器:メイジスタッフ

防具:ハードレザー

装備:首/聖印

所持品:冒険者セット

所持金:550G


◇◇◇


ミラ:つっよ…(笑)


セシル:見た所腕の立つお方!お願いします!仲間の救出とロドリゲスさんの遺体回収の為にあのミノタウロスと戦って下さい!

ミラ:良いよ。

セシル:ありがとうございます!私も微力ですがお力添えを!

ミラ:で?牛はどっちだ。

セシル:あっちの方です!


セシル:逃げて来た方、で良いんですよね?

GM:さぁ?奴らも移動くらいするからなんとも?

ミラ:取り敢えずもっかい北上。


GM:ん、では自然の洞窟の壁を利用した牢が有りますね。四肢を固定する鉄製の器具が見られるので、ラクシアのミノさん特有の『捕虜孕み袋部屋』ですね。

セシル:あぁ、ラクシアのミノさんってメス居ないんでしたっけ。

ミラ:此処で待ってても良いが…東に行って見るか。


GM:はい、では大当たりです。大きな角を持つ牛の頭を持つ蛮族が、荒い鼻息と共に肩を大きく揺らしている。足下には二人の人族の女性が裸でぐったりしてますね。

ミラ:牛なのにイカ臭いとはこれ如何に。(一同笑)

GM:言ってろ。戦闘開始です。まもちきと先制どうぞー?知名度は10/17、先制値は12でーす。


ミラ:はい、先制も弱点も問題なく。


◇◇◇

VS ミノタウロス

第一ラウンド

◇◇◇


GM:うし、では戦闘開始。ミノは乱戦エリアに設置しますが。

ミラ:オレも。

セシル:私、自陣後衛に居ますね?


セシル:Fプロ要ります?

ミラ:要らないから俺の結果見るまで待機。

セシル:はい!


ミラ:よし、では必殺二連。19と20。

GM:ミノはなー。敏捷クソだからねー。ほら、当たる。

ミラ:体力HPと装甲点で耐えるタイプだからねー。五回転62と一回転しょっぺ26。

GM:ウッソだろお前!?(駒を倒す)


セシル:す、凄い!?


GM:では牛さんがヴモォォォ!と鳴いて倒れると、奥からのっしのっしと牛の頭を持つ蛮族が…

ミラ:殺すぞGM。(笑)


ミラ:…流石に二体目は聞いてねぇぞ…!?


GM:ではもう一体のミノは君たちの足下に転がる同族を見て君たちへの殺意を膨らませます。前線エリアに配置です。

ミラ:俺の手番は途中で良いんだよな!?

GM:流石にね?

ミラ:流石にこれは…通常攻撃二連!…だぁ低い!18と17!

GM:まぁ〈かけら〉とトレジャー全つっぱしてるだけのミノだからね、残念ながら敏捷は…はいダメ~。

ミラ:18、があぁ必殺ならもう一回回ったのに二回転35!

GM:いやふっつーに痛ぇわ欠片分ほぼ飛んだんじゃが!?

ミラ:こんだけやって欠片分飛んでねぇの!?セシル!俺に当たっても良いからフォース打てフォース!(一同笑)

セシル:落ち着いて下さい、フォースはレベル3神聖魔法です!私待機で!(一同笑)


GM:よーし、こっちの手番。練技フル使用からの全力攻撃!オラ死ねぇ!命中ファンブルゥ!(一同爆笑)

ミラ:洞窟の中でクソデカアックス振り回せば多少はね。(笑)


◇◇◇

第二ラウンド

◇◇◇


ミラ:よし、セシル!

セシル:はい!

ミラ:バニッシュ!

セシル:はい!まず通らないと思いますが達成値は…あ、クリティカル。(一同笑)

GM:君ら出目良くない!?ダメだ通る!?

セシル:効果は…対象は逃げ去る?

GM:やめてー!?


ミラ:さて…懺悔の用意は済んでいるか?必殺二連!19と命中クリティカル!ダメージは…五回転61と一回回って4?変転。さらに二回42!

GM:う…

二名:?

GM:ウソだアァァァ!?


二名:イェーイ!(ハイタッチ)


GM:(トボトボ…)えー、エンディング入りまーす。


◇◇◇


GM:えー、では今回の顛末。結果から言うとセシル達のパーティーは、解散になりました。ロドリゲスさんはタグも遺体も回収しましたが、元々良い歳だったんで、そのまま手厚く荼毘にふしました。で、ゾフィーは救助されて一月もしない間に自室で首吊ってるのが発見されて、状況から自死、蘇生には応じないだろうと彼女もまた、ライフォスの御許へと送り出されました。アンリもまた、冒険者とは違う新しい道へと進むそうです。


アンリ:アタシ達にはちょっと冒険は早かったみたいだ。巻き込んだロドリゴ爺さんには悪い事したよ。

セシル:…行くんですか?

アンリ:ん。ちょいとやらなきゃならない事が出来ちゃってさ、冒険者続けらんないや。


ねぇ、セシル。

セシル:はい?

アンリ:アタシ達が居なくなっても、冒険者続けるんだよね…?

セシル:…はい。

アンリ:ん、じゃあさ、出てく前に大将に話通しておくから、あんた〈ドラゴンファイア〉に行きな。あの剣士のお兄さん、きっとあんたを助けてくれる。人の縁ってのは目を離すとすぐ切れちまうもんだ!ってロドリゴ爺さん言ってたろ?…強くなってよ、セシル。首括ったあのバカや、今冒険者辞めるアタシが、10年後に後悔するようなでっかい冒険者になって。その為に、あのお兄さんに着いて言ってくれ。


セシル:…アンリ。

アンリ:ん?

セシル:…また。

アンリ:ん。


GM:少女達は、それぞれの道を歩み始める事を決意し、しばしの別れを誓った。また会う時に、互いに胸を張る為に。


一方、ミラ。君、今何してる?

ミラ:ミノった金でステーキ食ってるけど?


GM:うむ。ではホールの食事スペースでメシをがっつく君と、それをニコニコしながら眺めて仕事サボってる受付嬢、それに頭を抱える店主、歌うタイミングを見計らってるスパム海賊団、といつもの光景になりつつある〈ドラゴンファイア〉。


今日もまた、その門戸を叩く若き冒険者が現れる。


セシル:すいません!営業中でよろしいでしょうか!

リーナ:冒険者ギルド支部〈ドラゴンファイア〉へようこそ!本日はどのようなご用向きでしょうか?


GM:すっ、と服の裾と佇まいを伸ばし、リーナが駆け寄る。少女は…セシルは元気な声でこう言った。


セシル:冒険者登録を!お願いします!

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アフターヴァイス~水の都漫遊記 トンカツ男爵 @tonkatsu-baron

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