第5話 時の探究者

3人は、お互いに視線を交わし、謎の人物の提案について考え込んでいた。その人物は、仮面の下で笑みを浮かべながら、じっと彼らの返事を待っていた。


「君たちの護衛として同行してあげる。それが君たちにとって最善の選択だと思うよ。」謎の人物が再び言った。


「でも、あなたが本当に助けてくれるのかどうか、信じられないんです。」私は慎重に言った。


「信じるかどうかは君たち次第だけど、私は君たちの未来に興味があるんだ。その百科事典がこの時代にどんな影響をもたらすのか、目の当たりにしてみたいんだよ。」謎の人物はにやりと笑って言った。


先生はしばらく考え込んだ末に、謎の人物に向かって質問した。「君は一体何者なんだ?百科事典を手に入れることで、何をしようとしているんだ?」


謎の人物は一瞬黙ってから、仮面の裏で微笑むような声で答えた。「私は『時の探求者』と呼ばれている。時間の流れに魅了されていて、その力を手に入れるためには百科事典が必要なんだ。」


「時の探求者…」私はその言葉にどこかで聞いたことがあるような気がした。先生も同じように思ったのだろうか。彼の表情には、謎の人物に対する疑問だけでなく、何か別の感情が見え隠れしていた。


「どこかで聞いたことがあるのかい?」謎の人物は仮面を被ったまま首を傾げた。


「そうだよ。この時代の歴史にも君たちの未来にも触れられていない情報を手に入れることができるんだ。君たちと協力すれば、それが実現できると思うんだ。」


私たちは再び視線を交わした。時の探求者が言う通り、彼と手を組めば、百科事典の力を駆使してこの時代で何かを成し遂げることができるかもしれない。


「では、時の探求者。協力するなら、君も私たちの一員だ。」先生がきっぱりと言った。時の探求者は仮面の下で喜びの表情を浮かべた。


「それでは、早速京都へ向かおう。君たちの未来、そしてこの時代に新たな歴史を刻もう。」時の探求者が言って、私たちは3人で馬に乗り、京都へ向かうことにした。

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時空を超える百科事典少女 藍春希 @hisyoukei

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