カラオケは地獄Death!

夕日ゆうや

陰キャな俺はカラオケに参加した。

 アップテンポの曲調が流れてくる。

 俺はそれには乗らずに端のほうで悶々としていた。

 みんな歌がうまい。

 俺にはできないことだ。

 クラスメイト全員に呼びかけてやってきた連中でカラオケとなった。

 陰キャな俺でも参加できたのは幸いであった。こうして可愛い子と出会うこともできた。

 でも、俺は歌が下手なのだ。

 歌いたくないオーラを出しつつ、俺は陰に潜む。

 これくらい陰キャな俺にしてみれば朝飯前だ。

沼渕ぬまぶち歌わないの?」

 そう思っていた矢先、クラスのギャルである入間いりまが呼びかけてくる。

 明るい彼女にとっては陰すらも見つけることができるらしい。

「お、おう……」

「沼渕はどんな歌を歌うんだ?」

 クラスで二番目に陽キャな男子生徒が寄ってくる。

 その詰めより方。まるで合コンの男である。

「うう。歌うよ……」

 もうこうなったら歌うしかない。

 注目度を上げすぎた。

 この状態で否定する方がおかしいだろう。

 なんせ〝カラオケ〟に来たのだから。

 俺は覚悟を決めて、偏鯛へんたい尾尻沢理鯛おしりさわりたいを歌い始める。

 どこかの国民的アニメのキャラみたいに大声を響かせる。

 みんな苦痛でうめいている。


 終わった頃にはみんな脱水症状に見舞われ、救急車が何台もくる結果となった。


 俺はもう二度とカラオケにいかないと心に誓ったのだった。

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