赤服のスパイ
ハクセキレイ
赤服のスパイ【全一話】
一年最後の月、十二月は師走と呼ばれることもある。
誰もが年の瀬をひかえて何かと忙しいので、どっしり構えて読経をする
ただ別の説もあるらしく、本当のことは分からない。
そして、師走と呼ばれる十二月に、街を走る赤い影があった。
その正体は伝説のスパイ、コードネーム『サンタクロース』である。
彼の任務は来るべき
ある時は、ターゲットの家族から巧みな話術で聞き出す。
ある時は、ターゲットの会話を盗み聞きする。
ある時は、ターゲットの部屋に侵入し、持ち物から好みを推察。
もちろん、侵入した痕跡は残さない。
しかし彼をつけ狙う人間もいる。
彼の卓越したスパイ技術や、持っている道具が目的だ。
彼の持っている技術を使えば世界を支配することなどたやすい。
だが彼にたどり着いた人間は一人もいない。
サンタクロースの名を知られてはいても、それ以外はほとんど分かってないのだ。
彼は秘密を探るだけではなく、自らを秘密にする技術も持ち合わせている。
彼の実在を疑われるほどだ。
そんな秘密主義の彼が、自らの存在を誇示するのは一つだけ。
25日の朝、ターゲットに枕元に置かれるプレゼントである。
その事実だけが、彼が真に存在することを証明するのだ。
彼はサンタクロース。
伝説のスパイ。
正体は誰も知らない。
今日もまた秘密を暴きに街を走る。
赤服のスパイ ハクセキレイ @hakusekirei13
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます