これは秘密な秘密の話。
夕日ゆうや
秘密の関係
俺と
高校ではあまり接点を作らずに、授業中にライ〇のやりとりをしている。
そんなことになったのはつい先日。
俺と愛華が一緒なタイミングで下校したときだった。
「あんた、なんでついてくるのよ?」
「いや、それは俺のセリフだね」
引っ越したばかりのアパートに向かっていると、平行して愛華もついてきた。
当時は
「涼本さんこそ、俺に何のよう?」
「わたしだってこっちに家があるのよ。ストーカー
呆れたような声音を発する涼本。
「俺の名前、知っていてくれたんだ」
「どこで喜びを感じているのよ!! この変態!!」
「いや、俺って転居してから友だちいないんだよ!」
父の都合で俺だけ先に転居していた。
去年の夏頃から転勤することは告げられていたので、志望校を変えるのには問題なかったが。
いかんせんこっちの事情は分からない。
たまに東北なまりが分からないのだ。
「ここがわたしの家よ」
それは俺のアパートの管理人さんの家だった。
「……ほー」
「何よ。気の抜けた顔をして」
「俺、アパートに転居してきたのだから、お客さんだな」
「ばっかみたい。言ってなさい」
少し呆れた顔をした涼本さん。
そんな出会いを終えて、俺たちは正式に付き合うことになった。
親にも友だちにも言わずに秘密の関係を続けている。
愛華には婚約者がいるという話も聞くが、嘘らしい。
告白を断る体のいい言葉だとか。
今日も授業中にちらりと目配せをする。
するとにっこりマークのスタンプが飛んでくる。
それだけで俺はテンションが上がるのだった。
この秘密が知られるまで、あと二日。
これは秘密な秘密の話。 夕日ゆうや @PT03wing
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