第3話 裁きの間
ここは冥界、裁きの間。
閻魔様に談判する白猫の姿があった。
「お前、確か九生目の15歳だったよな」
「はいな」
『猫に九生あり』九生目となれば、本来、その先は無い。
「では、どっちみち寿命だな」
「そこをなんとか」
閻魔様は、常々、某惑星の帝王の所業に業を煮やしていた。
そこに、今回のイレギュラー。
帝王の死期の到来を手ぐすね引いて待っていた。
「私のお陰でございましょ?」
「シュウのお陰でもある。しかも、お前は、九生目。これ以上は無い」
「そこをなんとか、もう1回。帰る約束を果たさねば、死んでも死に切れません」
「お前は、もう、死んでるがな」
「ですから、貢献度に対するボーナスポイント的な何かで」
「……」
「閻魔様権限で……」
「仕方ないな。いいか、このことは、他の猫には秘密だぞ」
そして、シロは、奇跡の十生目を生きることになった。
ー完ー
三つの秘密 姑兎 -koto- @ko-todo
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