第2話 地球人は短命?

次の救世主生贄は、地球人の女子ということだった。

「次のにえは、決まっていたのに。何でまた、そんな辺境の星の子の変更を?」

だが、帝王様は絶対的存在。

言われるままに粛々と準備を進めるしかない。


そして、儀式当日。

抽出されたテロメアを見たシュウは、驚愕し、狂喜した。

ほぼ残りが無いテロメア。

それもそのはず。

地球人の身代わりになってやってきたのは猫のシロ。

よわい15のシロは、いつお迎えが来てもおかしくないお年頃だった。


これでは、帝王の寿命は延びない。

何なら、今より短いものになる。

そうなれば、帝王の治世は終わり、解放される。


(このことは、誰にも言わず、秘密にせねば。

せめて儀式が終わるまで他の誰にも知られないように。)


彼は、飼い殺しの様な生活に飽き飽きしていたのだ。


そして、つつがなく儀式は執り行われ、程なく、帝王は逝去した。

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