自伝、中年男性の観る世界

ツムラ

第1話孤独、喪失、虚しさ、そして希望

子どもはいない。

ただこれだけで中年の生涯で孤独が蝕まれていく。


元来、私は処理能力の低い人間だ。

多くの問題を解決できない。親もそうだった。


私が選んだ選択、そして選ばざるをえなかった選択によって現在の孤独が成立している。


私の存在理由は何だろう?

実をいうとストレスが溜まったり、解放された時、自分が世界の重要人物であると感じる時がある。


そして、ある時期を過ぎると、その時間の思想の愚かさと思考の滅裂さに打ちひしがれ、深海のような時間を過ごす。


自分に特別な存在理由があれば満足するだろう。

しかし、いくらコンテンツを並べていっても、満足できない孤独と虚しさが胸をつく。


子どもの頃になりたかった自分は何だっただろう。

少なくとも、普通に生きること、社会で働くということがこんなに大変でクレイジーなことだとは、想像もしなくもなかった。


そもそも世界大戦があって、まだ数十年しか経っていないのだ。

その時代に行きなければ知りえない感覚があるのだろうが、他人の命を奪って侵略や利益を得ようとする発想が理解できない。


私は生まれる前に起こった、理解できないこの現象のせいでずっと苦しめられてきたのだ。

何も私だけではない、日本に住む人、皆の問題になっている。


正直に言って、もう勘弁してくれといいたい。

軍国主義からの軍隊的思想、訓練、統制。

しかし、世界では今も戦争は続いており渦中の中にいる人々もいる。

そういった人のこと、軽々しく見捨てる度量もないのだ。


囚われていると感じるのは、社会の閉塞感や近代的な建造物、核家族による人間関係の希薄さ、少子化を含め閉じていっていると感じるマンションの一部屋の中で夜を過ごす。

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