赤い靴

えーすくん

赤い靴

「じゃあまた明日〜、バイバーイ!」

友達と帰る下校道はなんて早く感じるんだろうか。それは良いとして私は早く帰りたくてどうしようもうない。ゲームがしたい、小説読みたい、YouTube見たいなどの欲求から「早く帰りたい」と言う気持ちが出てくる。


私の家は学校から程よく遠い。徒歩で30分はかかると思う、だからいつも下校道はダッシュで帰るのだ。

今の季節は真冬だ。寒すぎる、手が凍る、とにかく寒い。冬季は朝が地獄だと思わないか?寒すぎて布団から出れないから冬休みは誰だって怠け者になるのだ。


────とダラダラ考え事をしていたら家に着いてしまった。私の家は二階建ての新築住宅、本当はモダンハウスが良かったが家賃が高過ぎるというわけで却下された。(そんなぁ…)


「お母さんただいま〜!」

「かな、おかえり〜!」

いつも通り玄関に靴を脱ごうとしたその時、見知らぬ靴があった。赤色、まさに子供が履けるような小さい子供用靴。もしかしてお母さん誰か連れてきてるのかも────?


「お母さん!誰か連れてきてるの?」

「え?そんな訳ないでしょう。」


「何言ってんだこいつ」みたいな顔しないでくださいよ、もしかして信じてないの?赤い靴、童話にありそうでなさそうな靴。


「だってあからさまに赤い靴あったもん、小さい子供用靴が!!」

「そんなのないわよ?」


もしかして私にしか見えてない?まぁいいか…。そして私の部屋に行こうとすると事態は一変した──。


私の部屋は白色統一家具、ベッドも気持ち良いという訳でこの部屋は結構気に入ってる。私が好きなアーティストさんのアルバムもあって落ち着ける環境に過ぎない。辺りを見回してると後ろから聞こえた…子供の声が確かに聞こえた。


「かなおねえちゃん!」


子供だった…人形かと思ったが全然そんな気がしなかった。喋る人形は可笑しい、トイレの花子さんみたいな感じで前髪ぱっつんだ。スカートも赤いしなんと言いますか…怖い…!!


「だ、れ?」


今まで出したことのない声が出てしまった。幽霊は本当に無理なんだ。今まで「幽霊は出てくるかよ…!」という考えが腐ってる様に思えた。


「なまえなんてないよ、だからなまえをつけてよ!」

「もしかしてここに住み着くつもりなの!?あなたは一体何の目的で…さ!?」


「もくてきなんてないよ、かなおねえちゃんといっしょにいるつもり!」


嘘だ…そんなの馬鹿馬鹿しい!こいつの目的が分かったら絶対に捨ててやるから、絶対に───!

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