好きまでの距離9 Side 白波柚子

 お日様が太陽の日差しが暖かくて……。


 昨日、楽しみ過ぎて眠れなかったんだ。


 だって、水族館とクリスマスと太陽君。


 今一番、好きなって……やっぱり、これ無しで!!


 もう一度ね?


 今、とても気になってる事が3つも合わさったから。


 そう、これで良いかな?……そう、気になってるの……。

 クリスマスに太陽君と水族館へ。


 これってデートだよね!!なんて夜にキャーキャー言ってたら、お姉ちゃんに怒られた。


 電話中だって!!


 ちなみに、1時間後も1時間前も怒られた。


 電話中だって!!


 自分だって何時間電話してるの!!


 言えないけど……。


 だって、お姉ちゃん例のバレーボール選手の彼氏が遠征から日本へ帰って来て、やっと電話出来るって、喜んでたんだもん。何か凄いな、日本代表の彼女って……。


 そう言えば、お姉ちゃんの彼氏見ちゃった。


 うちに遊びに来てたんだ。


 印象は大きくて優しそうだったかな?。

 人見知りな私は、ちょっと挨拶しただけだったし……。後、玄関に置いてあって靴は大きかった。


 でも、絶対に太陽君の方が格好良いもん!!って私、何言ってるんだろ?


 相手は、雑誌のグラビアを飾る様な人なのに(バレーボール雑誌だけど)


 でもさ、だってさ、日に日に太陽君って格好良くなるんだもん!!


 元々、高かった身長に、今日みたいな素敵なファッション!!髪型だって何だろアイドルみたい、じゃなくて俳優さんみたいかな?


 テレビ良く見ないから、良く知らないけど……。


 舞い上がってるかな?うん、舞い上がってるよね?何となく、フワフワしてる……。


 あったかい陽だまりの中で、太陽君の腕が優しくて、お腹いっぱいだし、幸せで……。


 そして、眠りに落ちる、ちょっと前、聞こえた言葉……。


「いつか……言うから」


 何を?何だろう?きっと真面目な太陽君だから、大切な事なんだろうね?


 いつか教えてね?


 そのまま、私の意識は夢の中へ落ちていった……。


「柚子さん!!柚子さん!!困ったな後五分でイルカショー始まっちゃう」心地良い揺れと、暖かさで私は眠ってしまった様だ。


 優しい声に、ゆっくり目を覚ます。柔らかな逆光の先に何処となく、ホッとした顔の太陽君がいる。


「良かった、そろそろイルカショー始まるから!!」


「えっ?はっはい。えーと」寝起きで頭がボンヤリしているのかな?


「行ける?」そうだ!!イルカショーだ!!私、眠くなっちゃって……。


 太陽君の腕に……?


 慌てて、身だしなみを整えて、あっそれより先に言う事!!


「ゴメンね!!太陽君、私思いっきり寝ちゃった!!」しばらくして、ドンドン恥ずかしさが増えて来て……。


 寝顔見られちゃった……。


 イビキとか歯ぎしりとかして無いよね?


 ましてや、寝言とか?


 頭を抱えたくなる様な事が、ドンドン湧いて来たけど……。


「イルカショー、急がないと!!」太陽君の言葉に慌てちゃって、

「うん、急がないとだね?」そんな余裕は無いんだなって!!


「でも……」手を差し出してくれる彼。

 

 何だろ?


「少し、歩き辛いみたいだから気をつけてね」


 私がヒールの少し高い靴を履いてたから……そっか、その為の手だったんだ。


 優しいな……。


 その優しさは、誰にでも差し出してくれるの?


 私だけが、特別?


 良く分からないけど、私だけなら、嬉しいな……。


「ありがとう……」そう言って、太陽君の手を取った。


 胸の奥に秘めた気持ちを言えたら良いな……。


 いつか言うから……。


 その後の、イルカショーは楽しかったけど、少し濡れてしまった。


 太陽君と、二人で笑った。

















 











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やがて僕らは歩み寄る ☆星空とアクアリウム☆ まちゅ~@英雄属性 @machu009

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