未定

@kodaieichi

第1話

今日は居酒屋にいる。

図書館に本を返して家で猫とまったり過ごす予定だった。

目の前には熱燗。サザエのつぼ焼き。食べ終えたお通し。

お通しの味が気になる。

食べられなくてとても残念だ。

実際は自分が食べていたはずなのだか、如何せん記憶が無い。

酔いすぎて記憶が無い訳では無い。

まだ3合は飲んでいない程には意識がはっきりしている。

ではなぜ記憶が無いのか。


タイムスリップしているのだと思っている。


時々こういう現象に遭遇する。

幸い客は自分一人。

今回は1人飲みを楽しむ人生にタイムスリップしたようだ。


店主も絡んでくるタイプでは無いようで当たり障りのない会話のみ。

注文したであろう熱燗は失敗だった。

今の自分は日本酒は常温、または冷酒と決めている。

理由は燗の仕方が気に入らない事が多いからだ。

徳利ごと鍋で温めてくれる店なら間違えなく頼む。

今回の熱燗は言わずもがな。


川エビが運ばれてきた。

赤と緑と黄色。

盛り付けが素晴らしい。

あっ!と思った時には自分の手はレモンを持ち絞っていた。

今回は女子力高め、一人飲みを楽しむ彼女だ。


やっと理解した。


彼女の名前は、否、今の自分の名前は


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