豪快で猪突猛進なようでいて、誰よりも真っ直ぐで、決して信念を曲げない千歳丸。
そんな彼が「お前を笑わせる」と誓ったなら、その言葉は軽い冗談ではではなく、覚悟が込められたものになります。その強さが彼の魅力を際立たせています。
一方の花姫は賢く静かで、どこか達観した雰囲気を持っています。
けれど彼女の言葉の端々には、長い孤独の中で抱え続けた寂しさが滲んでいます。どんなに冷静を装っていても、その小さな肩に背負ったものはとても大きい。それでも、彼女は最後まで気高く在り続けます。その凛とした姿が印象的です。
二人の会話には軽妙なやり取りもあれば、心に染みる静寂もあります。時には軽口を叩き合い、時には真剣に向き合う。その距離が少しずつ縮まる瞬間は、愛おしいものに思えます。
千年の時を超えても変わらないものがあるとしたら、それはどんな想いなのか。その答えが、この物語にあるのかもしれません。