スタート

夢 理々

どこ、ここ…?

なんか…いっぱい居る。

しっぽが見える。てか、みんな同じ格好してる。


なんなの?

泳げばいいの?

どこまで行ったら休める?

この水、なに?

すごい痛いんだけど…

身体中ピリピリする。

隣を泳いでいたヤツが急に力なく後退していく。

いや、死んだんだ。

この死の水に耐えられないやつは死ぬんだ。

なんなんだよ。なんのために泳いでるんだ。


あの部屋はなんだろう。

あそこまで行くか。

あんなに沢山いた同じ格好のヤツらは、だいぶ死んでしまった。

ん、次は何だ?

上に行くのか…。

思うように動けない。


なんだ…?

右と左に分かれてるぞ。

どっちに行こうか。

「左だ!」

半分くらいは右に行ったか。何が違うんだ。


…くっ。さっきと比べものにならないくらい流れが急だな。流されたら終わる。

力を振り絞れ!

あいつら傷だらけだ。

でも、進むしかない。



…光だ!

やっと終わるのか?

なんだ、壁がある…。

くっそー!

こんな壁ー!!



……入れた?

ほかのヤツらは?

壁の向こうにいるな。

入って来れないのか?


あれは誰だ?

先に入ってるやつが居たのか。

俺とは違う格好だな。


こいつと俺しか居ないのか。

とりあえず、ようやく休めそうだ。

ベッドもあるのか。

もうボロボロだ…。

疲れた。

少し、休もう。





どれくらい経った?

そろそろ行く頃か…。



――さぁ、行きなさい。

あなたの物語をはじめるのです。――



光が見える。







「おめでとうございます!!元気な男の子ですよ!」



さぁ、はじまる!!











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