絵空事

@Youkosann

第1話るり

目が覚めると、そこには空が広がっていた。

後ろを振り向くと、そこにはこの空と同じ色の髪色をした少女が立っていた。

その少女は優しく微笑みこう言った

「大丈夫、私は貴方の味方。まずは名前を決めなくちゃね、あなたの名前はるり、わかった?」

少女の声が頭の中に入っていく。

「わたしのなまえはるり」

そう呟くと目の前の少女は嬉しそうにした。

「あなたの、なまえは?」

少女は口を開く。

「私の名前は…」


ふと瞬きした瞬間、その少女黒ずみになって消えていた。

世界は先程とは真逆に目を閉じたくなるような赤で染まっていた。

その後ろには、

また1人、

少女が立っていた


「じゃあね」


上に落ちていく

霧がかかったような頭では何も考えることが出来ず、ただその少女を眺めることしか出来なかった。




衝撃と共に飛び起きる。

「うわっ」

少年が驚いたという表情でこちらを見ている。

「だ、大丈夫?」

周りを見渡すとコンクリートで囲まれた部屋に少女物の服が散らばり山になっていた。

「大丈夫?自分の名前とか分かる?」

名前

「る……り…」

「るり?」

「うん、そうだった気がする。」

「君は名前覚えてるんだね、俺は名前も思い出せないんだ。」

そういえば名前以外の記憶が浮かんでこない。

「あなたは制服着てるから学生じゃないの?」

「多分そうだと思うんだけど、君もセーラー服だね、半袖だけど寒くない?」

「うん、あなたはなんて呼べばいい?」

「君が決めていいよ」

その少年をみる、赤い髪に黄緑色の目

赤には何故かいい印象が無い。

「じゃあ黄緑でいいや。」

「絶対に見た目で決めたよね」

少し不服そうにする

「だめ?」

「まあ、君が決めてくれたものだしいいよ。ありがとう、るり」

「よろしく、黄緑」

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