第5話

「な、なに、これ」


「おめぇが出した氷魔法だ。ほれ、放ってみろ」


「は、はい」


 私は初めて、魔法を放てる!!


「い、行きます。――――氷魔法、氷の銃ゲヴェーア・アイス


 魔法を唱えると、氷は真っすぐワイバーンへと放たれる。


 ────ドンッ!!


 っ!!

 ワイバーンにぶつかると同時に激しい爆風がっ――――あ、あれ?


 激しい爆風が吹き荒れるけど、私の前には透明の壁が現れ被害はなかった。


 後ろを見ると、先生が右手を出してシールド魔法を出していた。


「先生……?」


「まぁ、間違ってはいねぇが。さっきも言っただろう。俺様は、おめぇ専属の教育係だ。これからは、お前が一人で魔法を出せるように俺が特訓してやる。覚悟するがいい」


 白い八重歯を見せ、悪魔の笑みを浮かべている先生の顔……こわっ。


「さーて、ここからが本番だ。俺様がおめぇを大魔法士へと育てる。今まで通り逃げられると思うなよ? ここからが、お前の新しい人生の始まりだ」


 これからの私の人生は、この教育係に握られてしまった……のかな?


「では、新しい人生、スタートですよ、リヒト様」


 …………口調と笑みが先生の時と同じになった……。


 二重人格なのかと思わせるほどの口調の変化、さわやかすぎる笑顔。


「い、いやだぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」


「まぁまぁ、そんなことを言わずにぃ~。魔法を扱えるようになるんですよ、楽しみですねぇ~」


 魔法を扱えるようになるのは嬉しいけど、これはなんか違うのぉぉぉおおおお!!


 ・

 ・

 ・

 ・


「ちなみにだが、ワイバーンを撃ち落としたのは俺だからな? お前は何もしていない」


「そうだろうと思っていましたよこんちくしょう」


 この教育係、絶対に私を舐めてやがる……もう!!

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私の教育係についた先生によって、半強制的に新しい人生を歩むことになりました 桜桃 @sakurannbo

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